週刊BCNは11月16日、伊藤忠テクノソリューションズ(菊地哲社長、CTC)の大崎オフィスにおいて、同社の社員が対象の「SIerのためのITトレンドセミナー」を開催した。セミナーでは、編集部による講演のほか、共催のNTTコミュニケーションズによるセッションを用意。「デジタルトランスフォーメーション」をキーにクラウド、SDxなどの最新動向について解説した。また、セッション終了後の懇親会では、昼食をとりながら現場で必要とされているソリューションやSIerの今後などについて情報交換を行った。
デジタルでSIerも変わる
週刊BCNは、SIerやリセラーを対象にカンファレンスやセミナーを定期的に開催している。2016年は、全国8か所の主要都市でセミナーを開催した。また、読者限定の「読者会」もスタート。読者と編集部のコミュニケーションの場となっている。一方で、特定企業を対象としたセミナーも実施。今回は、「SIerのためのITトレンドセミナー」と題し、CTCの大崎オフィスにおいて同社の社員が対象の出張セミナーを開催した。

懇親会では昼食をとりながら
情報交換を行った
冒頭は主催者セッションとして、週刊BCN編集長の畔上文昭が「クラウドからみたデジタルトランスフォーメーション」と題し講演。ITの最新動向を紹介しながら、デジタルトランスフォーメーションについて、SIerがどう解釈するべきかを解説した。
編集長の畔上は、「クラウドをベースに、IoTやビッグデータ、AI(人工知能)が一体となり、FinTechやオープンイノベーションなど、さまざまなビジネス変革が起きている。一つひとつは、決して最近登場したわけではないが、つながることで新しい価値が生まれている。こうした動きがまさにデジタルトランスフォーメーションである」とし、SIerのビジネスもこの方向に向かうと語った。
また、IaaS/PaaS分野を中心に、ベンダー各社の戦略についても紹介。「価格競争よりも、サービス競争に入っている」とし、IaaS/PaaSはオンプレミスの代替ではなく、デジタルトランスフォーメーションに向けて動いていると説明した。
SDxと一元的なマネジメント

第五営業本部営業推進部門
坂倉俊介
担当課長 NTTコミュニケーションズのセッションでは、同社の坂倉俊介・第五営業本部営業推進部門担当課長が「デジタルビジネスを加速するNTTcomのサービスビジョン」と題し、講演した。
坂倉担当課長はまず、デジタルトランスフォーメーションについて「二つのICT」の側面から解説した。一つは「セキュアで信頼性の高いICT」、もう一つは「柔軟で俊敏性の高いICT」。前者は基幹系システムなどの従来型システムで、ユーザー企業では情報システム部門の担当範囲となる。後者はビジネスモデルの変化に合わせて変化に柔軟な対応ができるシステムを意味していて、ユーザー企業ではビジネス部門の担当範囲となる。「今までは『セキュアで信頼性の高いICT』がメインだったが、それを維持しつつ、『柔軟で俊敏性の高いICT』も重要になってくる。ユーザー企業では、両者を一元的にマネジメントする環境が必要であり、それによってデジタルトランスフォーメーションにつながる」と、説明した。
デジタルトランスフォーメーションに貢献するサービスの一つとして、坂倉担当課長は「SDx(Software Defined Everything)」を紹介した。代表的なSDxである「SD-WAN」「SD-LAN」では、ネットワーク設定などにおける柔軟性の高さについて解説。また、ハイブリッドクラウド環境で注目される「SD-Exchange」については、「複数のクラウドサービスを組み合わせた最適なシステムを柔軟・迅速に構築できる」と紹介した。
冒頭の「二つのICT」を管理するソリューションとしては、同社のマネージドICTサービス「Global Management One」を取り上げて、一元的に可視化することのメリットと重要性を説明した。以上を踏まえて、坂倉担当課長はNTTコミュニケーションズの強みやサービス、グローバル戦略などを紹介。CTCのビジネス展開をサポートできることをアピールした。

第五営業本部第一営業部門
寺田充良
担当課長 次に登壇した寺田充良・第五営業本部第一営業部門担当課長は、事例を用いながら「先進事例を有効活用していただくなど、支援できることは多い」とし、協業と新たなビジネス展開の可能性について解説した。なお、セミナー終了後の懇親会では、昼食をとりながら情報交換を行った。