工場の無人化モデルを横展開

 日立製作所(東原敏昭社長)は、工作機械メーカーのオークマ(花木義麿社長)と共同で、オークマが新たに建設した工場の無人化と24時間365日稼働などを実現する取り組みを開始した。工場内の工作機械などにセンサを設置し、日立のIoTプラットフォーム「Lumada」を活用して、生産の見える化などを実現する。日立とオークマは、新工場での成果をベースに新たなサービス事業を展開するための協業モデルの確立を目指す。(畔上文昭)

 愛知県丹羽郡のオークマ新工場「Dream Site2(DS2)」は、IoTやAIなどを活用し、高度な自動化と無人化を実現する部品生産工場である。

 DS2では、作業指示を与えると、ロボットが素材を倉庫から加工エリアに運び込み、工作機械やロボットが部品を生産する。工場内は温度と湿度が一定に保たれ、工程にあわせて工作機械とロボットが配置されている。

 「ユーザーニーズの多様化、グローバル競争の激化に対応するために、製造業ではマスカスタマイゼーションへの対応が求められている。つまり、ユーザーの個別要求に応じた超多品種少量生産においても、大量生産並みの生産性が必要ということ。そのためには、IoTやAIといった技術を活用し、生産スループットや設備の稼働率を向上させなければならない。製造現場におけるIoTやAIを活用するためのノウハウをもった日立との協創は、先進モデルの確立を目指すにあたって不可欠だった」と、オークマの家城淳・常務取締役技術本部担当FAシステム本部本部長は、DS2の狙いと、日立との協創における背景を語る。
 
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日立製作所の森田和信・産業・流通ビジネスユニットCLO(左)、オークマの家城 淳・常務取締役

 日立は、生産の見える化と最適化を実現するIoTプラットフォームの「Lumada」の産業分野向けソリューションコア「生産計画最適化ソリューション(PPO)」を提供。ワークID(認識タグ)を活用した工程管理システムでは、すべての加工部品が工場内のどこに、どの状態で散在しているかを的確に把握できるようにした。進捗・稼働状況を把握するための監視システムでは、生産進捗と設備稼働の一元的な可視化を実現している。
 
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材料の搬入から製造までを完全に自動化

 「これまでの見える化は、生産の進捗と設備の稼働を個別に可視化していたため、全体視点の対応策を決定するのが難しいという課題があった。今回は生産進捗と設備稼働を全体視点で監視する。それも、瞬間ではなく、時間軸で評価するため、状況に応じて最適な対策をナビゲートできる」と、日立製作所の森田和信・産業・流通ビジネスユニットCLO(Chief Lumada Officer)産業ソリューション事業部産業ソリューション本部長は説明する。

 日立製作所とオークマは、DS2の成果を国内外の部品加工メーカーに展開していく予定である。将来の人材不足も心配される製造業界。IoT活用による高効率生産モデルが、製造現場の働き方改革にも貢献することになりそうだ。