中小規模企業に使いやすく

 バックアップ・リカバリ世界最大手である米国ベリタステクノロジーズの日本法人、ベリタステクノロジーズは、昨年11月に中小規模企業に最適な統合データ保護ソリューションの最新版「Veritas Backup Exec 16」を発売した。「Windows Server 2016」環境などに、いち早く対応したことが“追い風”となり、販売開始当初から好調に推移した。同製品は、物理・仮想・クラウドの最新環境に対応しているが、今後も、多様なインフラをサポートし、利用形態を柔軟にするための機能追加を行っていく。

Windows Server 2016が“追い風”

 Backup Exec 16は、企業のデータ保護に関する重要課題の解決を支援するツールで、保存場所に関係なく、仮想・物理・クラウドを問わず、すべての重要なデータに対応している。最新版ではとくに、マイクロソフトとの連携強化で、クラウドの「Microsoft Azure」、物理環境の「Windows Server 2016」、仮想環境の「Microsoft Hyper-V Server 2016」といった拡張性の高い最新のマイクロソフトインフラにいち早く対応した。
 
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テクノロジーセールス&
サービス統括本部
セールスエンジニアリング本部
小川達彦 
Backup Exec
プリンシパル
スペシャリストSE

 同社テクノロジーセールス&サービス統括本部セールスエンジニアリング本部の小川達彦・Backup ExecプリンシパルスペシャリストSEによれば、「競合メーカーは、Windows Server 2016の対応に遅れ、2016年末までは当社製品しか選択肢がなかった」と、引き合いの多さを振り返る。

 また、Windows Server 2016のコンテナイメージの保護にも対応。Azureコンポーネントの保護では、業務への影響を抑えるシングルパスでのバックアップと、ファイル、フォルダ、オブジェクト単位でのきめ細かいリカバリを提供している。さらに「最新版では、クラウドのサポートが拡張されただけでなくライセンスモデルや購入モデルがシンプルになった」(同)と、中小規模企業のIT管理者にとっても利用しやすくなり、幅広い企業層へ訴求できる製品へと進化したという。

 今回の最新版では、各種仮想環境・IaaS(Infrastructure as a Service)上のWindowsとLinuxを物理環境と同様にサポートした。小川プリンシパルスペシャリストSEは、「使い方もライセンスの考え方も、物理マシンと同じ」と、ランセンスモデルや購入モデルがシンプルになったと話す。購入形態としては、Microsoft Azureのマーケットプレイス「Windows Azure Marketplace」にも提供し、顧客はここで入手が可能になった。今夏には、アマゾン・ドット・コムのクラウドアプリのマーケットプレイス「AWS Marketplace」での販売も開始する方針だ。
 
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Amazon S3ストレージなどに対応

 すべての環境に対応することを掲げるBackup Exec 16ではこのほか、VMwareの仮想化ソフトウェアの最新版「vSphere 6.5」に対応した。仮想ディスクに最適化された重複排除技術「Stream Handler」を利用可能にした。これにより、仮想ディスクの個別ファイルを認識し、高効率の重複排除を実現しているという。4月にはクラウドストレージ「Amazon S3ストレージ」の対応も強化した。
 
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パートナー営業
統括本部
ソリューション
パートナー営業本部
BEプロダクト
セールス
田葉光子氏

 同社の調査によれば、中小規模企業が抱えるデータは、今後3年間で33%増加すると予測。「この規模の企業は、より強力・柔軟で、信頼性の高いデータ保護ソリューションを求めている」と、パートナー営業統括本部ソリューションパートナー営業本部BEプロダクトセールスの田葉光子氏は語る。とくに、クラウドのバックアップ・リカバリの利用ではバックアップデータをクラウド上に保管したい顧客が多い。災害対策サイトを安価で簡単に構築できないかという要望もある。

 田葉氏は、「Backup Exec 16は、各種クラウドストレージへのバックアップは標準装備している」と、クラウドストレージへの直接バックアップでも必要なデータだけを選択してバックアップ・複製することが可能であると強調する。また、「顧客のニーズを満たす多様なライセンス体系を用意している」(田葉氏)という。
 Backup Execのライセンス体系には、三つのモデルがある。一つは「通常ライセンス」で、従来通り台数ベースの課金モデルだが、スモールスタートでも大容量データ環境でも使える。二つめは、「容量課金」で、バックアップ対象データだけに課金するモデル。利用台数は無制限で、見積りや管理を簡略化している。最後は、最新版で追加した「仮想環境向けCPU数課金」で、仮想ホストの搭載CPU数に応じて課金する。

 小川プリンシパルスペシャリストSEは、「仮想CPU課金はとくに好評だ。容量課金を含め、費用対効果が高く、幅広く顧客の要望に応えることができている」と自信をみせる。
 同社は4月に最新の更新を適用するFP(Feature Pack)、SP(Service Pack)を提供。複数の機能追加と改善を実施した。バックアップした仮想マシンが実際にリカバリ可能な状態かを事前検証できるようにしたほか、クラウドストレージを直接指定したバックアップジョブを作成しやすくGUIを改善したり、Amazon S3に加え、Dell EMCとRedHatのストレージへの対応強化などを施した。「今後も、3か月ごとに更新を適用していく」(小川プリンシパルスペシャリストSE)という。

 日本法人は、シマンテックに買収され同社傘下になった時代を含め、設立20周年を迎える。田葉氏は、「売り上げでは日本市場のボリュームが大きい。Backup Execをはじめ、日本で当社製品は間接販売モデルを続けてきた。当社のパートナー制度『パートナーフォース』を進化させ、よりパートナーに利益をもたらすように改善していく」と話している。(谷畑 良胤)