【ボストン発】米レッドハットは米国時間の5月7日、ボストンで開催した年次イベント「Red Hat Summit 2019」の基調講演に、米IBMのバージニア・ロメッティ会長兼CEO、そして米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOを招いた。IBM傘下となった後も中立の立場を守り、ハイブリッドクラウドの実現に向け、オープンソースソフトウェアによる技術革新を継続する姿勢を強調した。(日高彰)
独立性の維持を
開発者の目前で約束
昨年10月、ソフトウェア企業のM&Aとしては史上最高額の340億ドルで、IBMによる買収が決まったレッドハット。「Red Hat Summit 2019」は5月7日から9日までの3日間開かれたが、今年の後半に買収手続きが完了する見込みのため、上場企業としては今回が最後の開催となる。IBM傘下入りを控えた今後の方向性や、ハイブリッドクラウドの時代にレッドハットがどのような強みを発揮できるのかに注目が集まった。
もう一つは、IBMの傘下となろうとも、レッドハットはIBMの顔色をうかがうようなビジネスはしないという点だ。今回のサミットでマイクロソフトとレッドハットは、Azure上で提供するコンテナ環境「Azure Red Hat OpenShift」の正式提供の開始を発表した。このサービスを利用することで、ユーザーはAzureとオンプレミスで運用するOpenShift環境を一体のITインフラとして利用し、コンテナ化されたアプリケーションを自由に配置できる。仮想マシン以下のレイヤーを意識する必要のないマネージドサービスとして提供されるため、顧客はパッチ適用などの業務から解放され、アプリケーションの開発・運用だけに専念できる。
イベント期間中には、主力製品「Red Hat Enterprise Linux」の最新版となるバージョン8など、製品・技術面での発表も相次いだが、今年に関しては、IBMとマイクロソフトという巨大企業のトップを、共通のステージへ招くのに成功したことが、レッドハットにとっての最大の成果と言えるだろう。
【ボストン発】米レッドハットは米国時間の5月7日、ボストンで開催した年次イベント「Red Hat Summit 2019」の基調講演に、米IBMのバージニア・ロメッティ会長兼CEO、そして米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOを招いた。IBM傘下となった後も中立の立場を守り、ハイブリッドクラウドの実現に向け、オープンソースソフトウェアによる技術革新を継続する姿勢を強調した。(日高彰)