CES 2020は全世界から17万人以上が訪れる世界最大の家電IT見本市だ。以前はテレビを中心としたコンシューマー製品が主役だったが、ここ数年はBtoBの領域の展示が増加。出展各社が展示したAIや5G、ロボティクスといった最新技術を活用した製品、サービス、テクノロジーを通じて、協業を模索する場へと移行してきた。
トヨタ自動車も、閉鎖予定の東富士工場の跡地に、モノやサービスがつながるコネクティッド・シティを設置することを発表。21年初頭に着工する予定を明らかにするとともに、今後、さまざまなパートナー企業や研究者と連携して取り組みを進める。豊田章男社長は、「ゼロから街を作り上げることは、街のインフラの根幹となるデジタルオペレーティングシステムも含めた将来技術の開発においてユニークな機会となる。バーチャルとリアルの世界の両方でAIなどの将来技術を実証することで、街に住む人々、建物、車などモノとサービスが情報でつながることで、ポテンシャルを最大化できる」とし、「将来の暮らしをより良くしたいと考えている方、このユニークな機会を研究に活用したい方、もっといい暮らしとMobility for Allを、トヨタと一緒に追求したい方、すべての参画を歓迎する」と述べ、新たな領域における協業に期待を寄せた。
IT関連では、IBMが日本でも設置されることになる量子コンピューター「IBM Q System One」を展示したほか、クラリオンを傘下に収める自動車関連メーカーの仏フォルシアが提供する新たなサービスで、米マイクロソフトの自動車業界向けプラットフォーム「Microsoft Connected Vehicle Platform 」を活用するという発表もあった。シャープは、傘下のダイナブックが「8K Video Editing PC System」を投入すると発表した。シャープの石田佳久副社長は、「8K映像の編集を可能とするPCの投入により、8Kにかかわる撮影、編集、伝送、表示までの一連のバリューチェーンを実現でき、全てのピースが埋まる」とコメント。「今後は、8Kの裾野の拡大に向けた機器の普及および伝送環境の整備など、8K+5G Solutionの立ち上げに取り組む」とした。