RPAプラットフォームを提供するオートメーション・エニウェア(ミヒール・シュクラCEO)は、日本法人の規模を拡大し日本市場での販売を強化する方針を打ち出した。主力商材のAIソリューション「IQ Bot」の製品訴求を進め、既存顧客のスケールアップや、RPAを一度入れたもののうまく展開できなかった企業を中心に拡販していく考えだ。

 昨年11月に2億9000万ドルの資金調達を完了した同社は、現時点で約90カ国の3500社以上にソリューションを提供している。ソリューションの特徴は、稼働しているロボットの数にある。オートメーション・エニウェア・ジャパンの米田真一・パートナーマーケティング・シニアマネージャーは「単純計算で平均して1社あたり500体近くのロボットが稼働していて、これはスケールのしやすさを意味している。ロボットの稼働数も目標の一つで、20年の夏までに300万ボットを目指す」という。

 現在の日本市場について米田シニアマネージャーは「特に大企業では導入が一巡し、第2ステージに入ったと言える。ただ、その成果に満足している企業は多くない」と指摘する。社内のリソースではうまくロボットを管理できなかったり、ロボットの開発運用で外注を使う必要があったりといったケースが多いという。「いかにして内製化し、社内でスケールできる環境を作れるかが重要」だと強調する。

 同社ではロボットの部品や完成形をダウンロードできるストアに加え、AI+OCRソリューションのIQ Botによって適用業務の拡大を支援する。19年から専門のプリセールスチームを立ち上げ、現在では具体的な導入事例も増えてきた。今後、グーグルやその他OCRベンダーなどとの協業を進め、まずは春先までに日本語の手書き認識や活字認識精度を向上させていく方針だ。

 また、パートナーであるシー・システムが技術サポート「質問し放題サービス」、日立ソリューションがRPAと統合システム運用管理を組み合わせた「JP1連携ソリューション for Robotic Process Automation」を展開するなど、協業の観点でもスケール支援を進めている。

 一方で、19年10月にはRPAをサービスとして展開するRPA as a Serviceプラットフォームの提供を開始している。従量課金によるコストの最適化だけでなく、クラウド上からRPAを提供することで、管理機能付きのRPAをウェブ上から利用できるようになる。RPAを全社で展開するには管理機能が付いたサーバー型が望ましいとされるが、米田シニアマネージャーは「中小企業では個別にサーバーを用意するコストがネックになることが多かった」と語る。規模が小さい企業では紙ベースの業務の割合も多い傾向にあり、IQ BotとRPA as a Service(RPAaaS)を組み合わせた提案が、今後新たな顧客層を開拓する契機になる。(銭 君毅)