モバイル端末向けの営業支援自動化ツールを提供するインドVymo(バイモ)の日本法人Vymo Japanは2月9日、新社長に前DataRobotジャパン代表の原沢滋氏が就任したと発表した。原沢社長は「日本での事業展開を本格化させる」と意気込みを示した。

原沢 滋 社長

 バイモは、マッキンゼー・アンド・カンパニーで営業コンサルタントをしていたヤーマニー・バットCEOと、グーグルで人工知能(AI)を活用したアプリの開発に携わっていたベンカット・マラディCTOが、2013年にインド・バンガロールで立ち上げたスタートアップ企業。提供中の営業支援自動化ツールは、アジア地区ですでに60を超える組織で利用されており、12万人以上のユーザーを抱えている。19年に東京に日本法人を設立した。現在の国内のユーザー数は1000人以上となっている。

 既存のCRMやSFAとの違いについて、原沢社長は「既存のCRMやSFAは管理者からの命令にもとづくトップダウンの考え方で利用されているが、バイモの製品は現場の営業担当者からの報告にもとづくボトムアップを重要視している」と説明する。具体的には、各営業の活動データを自動取得し、日次や月次のレポートを自動作成する。その後、トップ営業の活動を分析してパターンを解析し、その結果からルールを作成。組織内に共有して行動パターンを慣習化させるサイクルで営業成果の向上を目指す仕組みになっているという。

 活動データについては、GPS情報や携帯電話の発信履歴、メールの送受信履歴を対象とし、現場の営業担当者はレポートに活用するか無視するかを選択できる。営業先とのやりとりを音声による文字入力で記録することも可能だ。今春には、Microsoft 365のカレンダー情報の取得機能のほか、LINEなどのやりとりを記録できる機能のリリースを予定している。

 マネージャー側では、各営業担当者の詳細な活動データ取得ができ、売り上げや業績を予想したり、データにもとづいて次の行動をアドバイスしたりすることが可能になる。バイモの製品単体でも活用できるが、SalesforceやMicrosoft Dynamicsと連携させることもできる。

 Vymo Japanは、システムインテグレーションパートナーとして、アビームコンサルティングと三井情報の2社と協業中。今後、販売代理店に加え、SalesforceやMicrosoft Dynamicsとの連携を担うシステムパートナーを含めてパートナーエコシステムを強化する方針。海外で導入実績がある金融・保険を中心に、ヘルスケアや流通、製造への販売を進め、21年度は5社への導入を目指す。

 原沢社長は「われわれの会社や製品は、まだ日本では全然知られておらず、信頼を置いてもらえていないのが現状なので、パートナーとともに日本市場の開拓を進めていく」とし、「CRMやSFAは、入力の面倒さなどから現場で好かれていないツールだと感じている。入力の手間を省くことで社員の業務負担を軽減し、日本企業の成功に貢献していきたい」と話す。(齋藤秀平)