オブジェクトストレージ開発の米クラウディアンは、2020年の全世界でのユーザー数が554社に達したと発表した。直近4年間の年平均の増加率は61%で、コロナ禍の経済的な混乱のなかにあっても「オブジェクトストレージに対する投資の伸びの勢いは落ちていない」と、同社のマイケル・ツォCEOは話す。顧客社数の増加に伴って20年度の通期連結売上高は6期連続の増収となった。


 顧客数が増えた背景には、文書や画像、映像といった非構造化データが増加し続け、オブジェクト方式のストレージが、従来のディレクトリ構造のファイルストレージに比べて適している点が挙げられる。また、バックアップや長期保存、クラウド型オブジェクトストレージサービスAmazon S3との相互接続性のよさ、AIやゲノム解析などの需要増も追い風になった。米クラウディアンの日本法人では、直近2年間のストレージ容量ベースで年平均の国内増加率が204%と、業界平均を上回る伸びを示した。

 
米クラウディアン マイケル・ツォ CEO

 クラウディアンの調べによれば、パブリッククラウドから客先に設置するオンプレミス型のサーバー/ストレージ環境に移行した、または移行予定があるとするユーザー企業は8割を超えており、「オンプレミス回帰の傾向が依然として根強い」(日本法人のブライアン・バーンズ代表取締役)と、クラウドとオンプレミスを行き来するハイブリッド化が一段と進むと見る。ハイブリッド化の進展は、同社のオブジェクトストレージ製品の販売にもプラスに働くと期待する。

 また、国内の国立大学など研究機関での採用も相次いでおり、20年は新規で5件を受注、累計7件に増えた。直近では、大阪大学サイバーメディアセンターのクラウド連動型高性能計算・データ分析用スーパーコンピューターシステムのオブジェクトストレージとしてクラウディアン製品が採用されている。システムの開発元はNECで、多様なデータアクセスプロトコルに対応し、研究者間で柔軟にデータを共有しやすくなる。

 ほかにも、身代金要求型の攻撃「ランサムウェア」によって、データの不正な改変や凍結、削除からデータを保護する情報セキュリティ機能「オブジェクトロック」もユーザーから高く評価されているという。

 販売チャネルは、昨年、国内唯一のディストリビューターとしてネットワールドがクラウディアン製品の取り扱いを開始。リセラーとして伊藤忠テクノソリューションズ、JBCCホールディングス、NECネッツエスアイ、日鉄ソリューションズ、国際産業技術などが販売を手掛けている。(安藤章司)