ピー・シー・エー(PCA)が、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けてサポート体制を強化している。4月には事業本部内に「カスタマーサクセス部」を新設し、社内の各部署に散在する顧客情報の集約などを始めた。今後、顧客のニーズや課題を整理し、全国各エリアのパートナーとともに引き続きビジネスを展開する方針だ。

隠居和勲 部長

 「IT業界自体がDX提案を推進する中、お客様が使用するソフトウェアやサービスは多岐に渡り、われわれがお客様のシステムの全体像を把握することが困難になっている。カスタマーサクセス部を新設することで、お客様側の状況を体系的に把握するとともに、ニーズと課題を整理し、お客様のシステム運用を支援することができると考えた」。同部を率いる隠居和勲・部長は、部署を新設した背景と狙いについて、こう説明する。

 同部は、隠居部長を中心に、各拠点長やマネージャー経験者など約20人とアウトバウンドのメンバーらで構成している。部署としては、社内の顧客情報の集約に加え、顧客にアプローチして顕在・潜在的なニーズや課題を探り、各拠点の営業担当者を通じてパートナーにフィードバックすることを主な業務内容としている。

 これまでは、顧客との接点は主にパートナーの役割になっていた。隠居部長は「われわれが、顧客にアプローチすることを嫌われるパートナーもいると思う」としつつ、「カスタマーサクセス部は、商材を販売するのではなく、システム運用や事業拡張に関する支援に重点を置いている。お客様への提案に役立つ旬な情報をお届けできるようになるため、パートナーのビジネスに与える影響はプラスになる」と理解を求める。

 PCAとしては、全国の拠点とパートナーの存在を強みとし、これからもビジネスを進める考え。今まではパッケージソフトの売り切りで終わり、自社のソフトやソリューションで賄える部分を他社に先行されてしまうケースもあった。今後は、同部と各拠点、パートナーの連携を強化し、クラウドサービスの「PCAクラウド」やサブスクリプションサービスの「PCAサブスク」を軸にした提案を強化する方針だ。

 カスタマーサクセスに関する部署を新設するのは、業務ソフトベンダーとしては珍しい試み。隠居部長は「われわれは、パッケージソフトウェアベンダーとして40年以上ビジネスを展開しているが、市場環境が大きく変化している。直近では、ソフトウェアのビジネスがサブスクリプションモデルに移行つつあり、お客様へのサービス提供の在り方を変えていかないといけない」とし、「まったく新しい部署なので、これからさまざまなことを決めていかないといけないが、早く社内におけるお客様の情報に関する中心的な部署になる必要があると考えている。そして、お客様が事業を継続してさらに成長し、カスタマーサクセスを実現できるようにしっかりと支援していきたい」と意気込む。(齋藤秀平)