米ノーションが開発・提供するSaaS製品「Notion」の利用が国内で拡大している。同社はNotionについて、業務に必要な情報を集約して管理できる「オールインワン・ワークスペース」と銘打つ。まだ日本語に対応していないにもかかわらず、個人や小規模なスタートアップ企業からSOMPOホールディングスのデジタル事業子会社であるSompo light vortex、ラクスル、プレイドといった上場企業グループまで採用が広がっているという。西勝清・ゼネラルマネジャー(GM)日本担当は「日本法人立ち上げの準備をしており、年内には製品の日本語化も完了させる」と展望を話す。
西 勝清 ゼネラルマネジャー 日本担当
Notionはドキュメント作成・管理やタスク管理、プロジェクト管理などの機能を備え、「ユーザーごとに業務に必要なあらゆる情報を管理可能で、多くの機能を組み合わせて使い勝手もフレキシブルにカスタマイズできるのが特徴」(西GM)としている。
グローバルでは21年1月時点で1000万ユーザーを超えた。国内の具体的なユーザー数は公開できないとしているものの、21年3月の国内MAU(月あたりのアクティブユーザー)数は20年3月比で600%まで拡大したという。
西GMは国内での利用拡大を後押ししている要因について「ユーザーコミュニティが非常に活発に活動してくれていて、Notionの価値や便利な使い方が広く共用されている」と分析する。既にコミュニティは全国に広がっており、1300人に近い規模に成長している。これに伴い、従来のメインユーザーだった個人やスタートアップに加え、大企業のDX担当部門やIPO準備中の企業などで組織的に利用する例も増えてきたという。日本語化が完了し、日本法人を立ち上げた後のステップとして、法人ユーザーのニーズに応えるための販路の構築も本格化したい意向だ。(本多和幸)