クレスコグループのクリエイティブジャパンは、強みとするネットワーク構築や情報セキュリティの技術を駆使した“デジタルプラットフォーム”戦略を推し進める。
同社が考えるデジタルプラットフォームとは、IT基盤と業務アプリの中間に位置するもので、客先設置やクラウドなどさまざまな情報システム環境をつなぐ役割を担う。クレスコ本体と13社の主要子会社はIT基盤から業務アプリ、サービスまで幅広く手がけており、クリエイティブジャパンは事業会社の商材をつなぎ合わせるデジタルプラットフォームの領域で存在感を発揮していく。
クリエイティブジャパンはネットワーク構築やセキュリティを強みとするNIer。2013年にクレスコグループに入って以降は、クレスコ本体は主に業務アプリの構築を強みとするSIerとしてビジネスを手がけ、クリエイティブジャパンはNIerとしての役割をそれぞれ担ってきた。
山元高司 社長
今年10月にクリエイティブジャパン社長に就任した山元高司氏は、「デジタルプラットフォーム層を担うことで、グループ事業会社とのビジネス的な相乗効果を重点的に高めていく」方針を掲げ、クレスコ本体の取締役を兼務しつつグループ連携を推し進める。
ユーザー企業のIT投資動向に目を向けると、クラウド移行やIoTなどエッジデバイスの活用、セキュリティの見直しといった需要が高水準で推移している。クリエイティブジャパンはデジタルプラットフォーム層を率先して担うことでビジネスを伸ばす。
クリエイティブジャパンの直近の売上高は約35億円(21年3月期)で、クレスコグループ全体の売上高の約8.8%を占める。クレスコは24年3月期までの3カ年中期経営計画で年商500億円を目標に据えており、グループの相乗効果を高めていくことで、グループ全体に占めるクリエイティブジャパンの売上比率を10%程度に高めていく考え。(安藤章司)