Thinkings(シンキングス)が展開する採用管理システムの利用企業数が1000社を超えた模様だ。就労人口の減少を受けて企業が採用業務をより重視するようになり、採用業務の効率化、自動化を担う同社の採用管理システム「sonar」シリーズの利用増につながった。今後も人材獲得の激しい競争が続くと同社では見ており、「採用業務を効率化ニーズは増える」(吉田崇社長)として、利用企業の社数の増加に手応えを感じている。
吉田 崇 社長
sonarシリーズは、就職情報サービスや人材紹介会社からの情報を統合的に管理するSaaS型ツールで、ユーザー企業にとってどの人材サービスが最も優秀な人材を効率的に獲得できるのかを可視化。求人広告の費用を抑制しつつ、効率的な採用業務が可能になる。また、採用後の人材情報をSmartHR(スマートHR)や「カオナビ」「COMPANY」などの人事管理システムに受け渡すことで、採用管理から人事管理のシステムへのデータ移行の自動化も進めている。
一口に採用業務と言っても、新卒採用からアルバイト、あらかじめターゲットを絞った幹部層の中途採用まで幅があり、例えばITベンダーならIT技術者を大量に採用するなど業種によってニーズも異なる。中途採用は前の会社を退職するまでに時間が必要だったり、受け入れ側の役職ポストの準備もあるため、採用対象者を“タレントプール”としてリスト化。双方が一定の時間をかけて交渉するケースにも柔軟に対応できるようにする。また、M&Aによって会社ごと買収して人材を獲得することを見越して、M&A支援会社との連携も強化していく。
吉田社長は「あらゆる人材獲得のルートに対応させ、人材獲得業務のプラットフォームとして成長させる」と、機能追加やsonarシリーズと連携する人材関連サービスのラインアップを増やすことで多様な需要に応えていく。同社では従業員数50人以上の会社が全国で約7万社あると見ており、このうち早期にシェア5%弱に相当する3000社の利用企業数の獲得を目指す。(安藤章司)