PFUは、検査機器や工作機械、監視装置などに組み込む業務用PCの新製品「GRシリーズ」を今年9月から出荷する。同社が手掛ける高信頼PC「ARシリーズ」を補完する位置付けで、「価格を抑えつつ信頼性を高めた」(高橋雅和・インダストリープロダクト事業部マネージャー)のが特徴だ。組み込みPCで新シリーズを投入するのは18年ぶり。向こう3年間で国内1万5000台の販売を見込んでいる。
高橋雅和 マネージャー
組み込み先は医療用の検査機器、工作機械の制御、防犯カメラ装置などを想定しており、開発元の機器メーカーが主な販売先となる。「通常のPCより高い信頼性が求められる組み込み分野が主な販売ターゲットとなる」と、製品企画担当の尾田丈一・マネージャーは話す。販路はこうした機器メーカーに組み込みソフトや、専用のアプリを開発しているベンダー経由が多くを占める見通し。
新製品のGRシリーズ
組み込み先の機器の小型化が進んでいることからスリムなきょう体を採用し、4Kの高解像度出力が可能なディスプレイ用ポートを二つ備えた。防犯カメラや医用画像の処理、工場の生産ラインでカメラを使った品質検査など画像や映像を扱う機器でも十分な性能を発揮できる。
製品企画を担当した柿本章博・マネージャーは、「小型でありながら24時間安定した連続稼働が求められる用途で、幅広い組み込み先を開拓できる製品に仕上げた」と話す。PFUでは、高信頼PCの上位機種「ARシリーズ」と、今回の価格を抑えた廉価版の「GRシリーズ」の二段構えのラインアップで、組み込みPCの販売増を狙う。
(安藤章司)