PFUは業務用スキャナのfiシリーズを8年ぶりに刷新し、2月28日から出荷を始める。新製品は全6機種で、発売後1年間で世界40万台、うち国内1万5000台の販売を見込む。8年前の新製品発売時も発売後1年で40万台程度を販売しており、「前回の刷新時と同等の販売数になる見通し」と、宮内康範・執行役員常務ドキュメントイメージング事業本部長は話す。ただ、販売先の業種・業態や用途は多様化が進んでおり、今回の新製品ではより幅広い需要に応えられるよう機能を強化している。
宮内康範 常務
金融機関の窓口や病院・診療所、店舗、ホテル、物流、役所、工場などの現場で扱う書類の読み取りで需要が広がっており、今回の新製品では現場で使いやすい機能を重点的に実装した。例えば、手差し・単送モード機能の実装によってパスポートや通帳、年金手帳など厚さ7ミリまでの冊子を、搬送用の保護シートなしで読み取れるほか、写真が貼り付けられていたり、紙の書類の合間にプラスチックカードが挟み込まれていても、まとめて読み取れるように改良した。
fiシリーズ新製品「fi-8190」
今年1月から施行された改正電子帳簿保存法について宮内常務は「業務用スキャナの販売増の追い風になる」と手応えを感じている。領収書や請求書、受発注書類をスキャナで読み取り、業務アプリケーションやストレージに保存する需要増を見込む。スキャナから業務アプリなどへのデータの受け渡しやAI OCRで認識するといった工程は、SIerやソフト開発ベンダーとの連携が不可欠で、「ビジネスパートナーとの連携を一段と密にしていく」考えを示す。
(安藤章司)