マイクロセグメンテーション技術を活用したセキュリティ製品を提供する米イルミオ(Illumio)は、2021年11月に日本法人イルミオジャパンを設立、国内市場の開拓を本格的に開始した。嘉規邦伸社長は「マイクロセグメンテーションはゼロトラストの実現に有効な手法だが、国内での認知は高くない。パートナー開拓やマーケティングを強化し利用を促進する」と力を込める。
嘉規邦伸 社長
マイクロセグメンテーションは、ネットワークを細かくセグメント化し構成する技術。ネットワーク内のサーバーがマルウェアに感染した場合も、細分化したセグメントの境界で不正な通信をブロックすることで、システムを横断的に動き攻撃するラテラルムーブメントの被害を最小限にとどめられる。イルミオでは、一般的なIPネットワークベースのマイクロセグメンテーションではなく、サーバーやデバイス単位のマイクロセグメンテーションを行える点が強みだとしている。
主力製品はベアメタルサーバーやIaaS上のコンテナ環境向けの「Illumio Core」、エンドポイント端末向けの「Illumio Edge」。エージェントをインストールすると、社内システムの情報を収集し、自動でセグメントポリシーを作成するため、複雑な設定作業が不要で容易に利用できるとした。グローバルでは金融を中心に多くの導入実績があるという。
日本法人はグローバルパートナーのIBMとともに顧客への提案を進めている。新規パートナー開拓では、大手SIerやディストリビューター、MSPなどと幅広く交渉しているとした。嘉規社長は「製品の特徴を丁寧に説明すると興味を持つケースが大半のため、パートナーは順調に拡大する」と手応えを感じている。
今後は金融や大手製造、行政機関へのアプローチを強化する。既に導入を前向きに検討している企業もあるという。中長期的にはMSPを通じて中堅中小企業まで顧客層を拡大させたい考えだ。
(岩田晃久)