インテリジェントウェイブは、表計算やワープロソフトのファイルのマクロ機能を生かしつつ、ファイルに付着するマクロウイルスのみを削除する次世代ファイル無害化ソフト「Resec(リセック)」の販売に力を入れている。今年に入ってから本格的に国内販売を始めたもので、「マクロ機能を維持したまま、身代金要求型ウイルスなどの脅威となる部分のみを削除したいという顧客の要望に応える機能を充実させた」と、手塚弘章・サイバーセキュリティプリンシパルエンジニアは話す。
手塚弘章 プリンシパル エンジニア
「既存のファイル無害化ソフトは、マクロ機能を無効にするか、許可するかの二択しかないケースが多かった」と手塚プリンシパルエンジニアは指摘。複数の操作を自動化するマクロ機能を無効にした場合の生産性の低下が課題になっていた。Resecでは有害部分を削除した上で、マクロ機能を含む元ファイルを複製、再現できる。証跡として残すためオリジナルの元ファイルは安全な場所に隔離する仕組みだ。
開発元はイスラエルのリセックテクノロジーズで、インテリジェントウェイブが国内向けの技術検証を行い、販売に当たってはビジネスパートナーであるSIerや、親会社の大日本印刷の販売網を経由しての販売を柱に据える。
販売ターゲットは機微な個人情報を多く扱う金融機関や医療関係、サイバー攻撃の対象になりやすい防衛分野などが中心となる見通しで、「すでに10社余りから引き合いが来ている」(手塚プリンシパルエンジニア)と手応えを感じている。インテリジェントウェイブでは向こう3年間で100社への販売を見込んでいる。
(安藤章司)