キヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)は、セキュリティ対策や情報漏えい対策などをパッケージ化した「まかせてITシリーズ」の受注件数が、2021年2月の発売から約1年半で累計1000社余りに達した。まかせてITシリーズ事業を担当する石井雄太・インフラソリューション推進部部長は、「従業員数100人未満の中小企業を中心に、ほぼ想定通りの販売ができた」と、手応えを感じている。
石井雄太 部長
まかせてITシリーズは、米Fortinet(フォーティネット)のUTM(統合脅威管理)やSkyのクライアント運用管理、米Barracuda Networks(バラクーダネットワークス)のバックアップソフトなどを使って情報セキュリティや情報漏えい対策、データ保護といったITシステムを運用する上で欠かせない機能をパッケージ化して提供。順次サービスラインアップを増やしながら拡販に力を入れてきた。
この10月からは、まかせてITシリーズの一環として新たに「保守運用サービス」を追加して、PCやサーバー、ネットワーク、業務アプリの保守運用をパッケージ化する。従来の保守運用サービスは約200項目の細かなメニューのなかから選択し、組み合わせる方式だった。
例えば、キヤノンS&Sが販売しているオービックビジネスコンサルタントやピー・シー・エーの会計ソフト向けのメニューであれば、経費精算や年末調整といった会計業務と隣接するサブシステムも含めてマルチベンダーで保守運用できる構成にした。対象の業務アプリは順次増やしていく予定。キヤノンS&Sが取り扱っているネットワーク機器やPC、サーバー、業務アプリに対象を絞ることでメニュー化しやすくし、その分、価格も抑えて中小企業でも利用しやすくする。
こうした取り組みを踏まえて、まかせてITシリーズの累計受注件数を「向こう1年で倍増以上に伸ばしていく」(石井部長)方針だ。
(安藤章司)