米TD SYNNEX Corporation(TDシネックス)のジャイディープ・マルホトラ・アジア太平洋日本地域社長と、パトリック・ザッミット・欧州アジア太平洋日本地域担当プレジデントは9月8日、週刊BCNの取材に応じた。今後の日本での方針について、米SYNNEX Corporationと米Tech Data Corporationの昨年の合併に伴う効果を生かし、リセラーの変革に向けた支援に注力すると説明した。
ジャイディープ・マルホトラ 社長
マルホトラ社長は、デジタルトランスフォーメーションの波が広がる中、日本のリセラーもその動きに合わせて変革する必要があるとの考えを示した。2社の合併によって統合したベストプラクティスを活用したり、専門的な能力を持った人材を派遣したりして各リセラーの取り組みを後押しするとした。日本の市場に対しては「非常に重要で戦略的な市場と考えており、今後も継続して投資する」と話した。
さらに「われわれは、成長が期待できるテクノロジーの観点で、しっかりと付加価値を持ったソリューションをリセラーに提供できる状況にある」と強調。IT業界が慢性的な人手不足に陥っていることにも言及し、その面も含めて「しっかりとリセラーをサポートしていく」と力を込めた。
パトリック・ザッミット バイスプレジデント
ザッミットバイスプレジデントも「日本の経済規模は世界のトップ5に入っており、われわれの興味のレベルは高い」とし、「日本の市場はイノベーションとデジタル化を求めており、当社にとっては大きな機会がある」と今後の成長に向けて期待感を示した。
その上で、ハイブリッドクラウドとアナリティクス、セキュリティの三つが業界の大きなトレンドになっていると解説した。エンドユーザーの間では、製品やサービスの購入を控え、使用料を支払って利用する方向に変わっているとの見解も示し、市場の要求に応えていくためには「リセラーはマルチベンダーソリューションを打ち出したり、サービスを提供したりしていく必要がある」と語った。提案時のポイントについては「これまではCIOと話せば十分だったが、これからはよりビジネスに近い人と話し合い、詳細を決めていくことがより求められる」と述べた。
(齋藤秀平)