SCSK Minoriソリューションズが、マイクロソフトのローコードアプリケーション開発プラットフォーム「Power Platform」を活用したビジネスに力を入れている。技術的な支援のほか、これまでに培った強みを生かしたサービスも提供し、他社との差別化を図りながらニーズの取り込みを進めている。

　Power Platformのビジネスに関しては、直近の数年でDXを切り口にした引き合いが増加し、売上高は順調に推移しているという。具体的な状況について、クラウド基盤ビジネスユニットクラウド基盤サービス第一事業本部の三脇一純・データサービス部長は「これまではローコード開発に向かない複雑な開発についての問い合わせもあったが、今は手作業で進めていた業務の自動化や、既存システムの補完といったローコード開発がうまく適用できる内容の問い合わせが多くなっている」と説明する。


　同社は、大手から中小まで幅広い規模の企業を顧客に抱える。顧客の間では、効率的かつ迅速な開発に加え、IT部門の管理が及ばないアプリ開発の抑制について支援を求める動きがあり、同社はこの部分で強みを打ち出している。

　同事業本部の宮添和也・副本部長兼MSテクノロジーユニット東日本担当部長は「準備せずに開発を進めてさまざまなアプリが乱立すると、セキュリティ面など、いろいろなところで不整合が起こる」と指摘。開発前のルール設定などについて蓄積したノウハウを活用し、汎用的なITガバナンスサービスとして提供している点を競合優位性として示す。

　今後の方向性について、三脇データサービス部長は「クラウドやローコード開発プラットフォームの発展に伴い、単純な役務の提供からの脱却を進めていかないといけない」とし、「少しでも多くのお客様の競争力向上に寄与するため、保有するナレッジを知財として整理し、それをサービスとして提供できるような取り組みを進めていく」と話す。
（齋藤秀平）