ソフト開発のラキールが提供するアプリケーションPaaS(aPaaS)「LaKeel DX(ラキールディーエックス)」の勢いが増している。2022年度第4四半期(22年10~12月)の平均MRR(月間経常収益)は前年同期比23.9%増の7250万円と大きく伸びた。これを年額に換算すると8億7000万円となり、サブスクリプション方式の企業向け業務アプリ市場で存在感を発揮するとされる「ARR(年間経常収益)10億円プレーヤー」入りを視野に入れる。同社はLaKeel DX上でユーザーや開発企業がビジネスを行う「経済圏」を構築し、売り上げの上積みを図る方針だ。
LaKeel DXは、画面開発やビジネスロジック開発などからなる開発基盤と、システム運用基盤の二つの階層で構成される。その上に認証や帳票、マスターデータ管理といったソフトウェア部品、これらを組み合わせた業務アプリが動作する。LaKeel DX上では部品化を徹底しており、部品の組み合わせによって業務アプリが効率的に構築できるのが最大の特徴。23年上期中をめどにユーザー企業自身で業務アプリの操作画面をカスタマイズできるローコード開発ツールも投入する予定だ。
川上嘉章 取締役
現時点では同社による直販がメインを占めるが、今後は「LaKeel DX上で動作するソフト部品やアプリをユーザー企業間で共有したり、SIerやソフト開発ベンダーに参加してもらえるようLaKeel DX経済圏を盛り上げていく」と、川上嘉章・取締役品質管理/プロダクト開発管掌は話す。
22年度末のLaKeel DXをサブスクリプションで利用するユーザー数は前年度比13.0%増の278社に増えており、ユーザー企業同士でソフト部品を取引できたり、SIerやソフト開発会社が間接販売できたりする仕組みをつくることで、aPaaSビジネスを加速させたい考えだ。こうした取り組みを進めることで、23年12月期の連結売上高は前期比22.2%増の84億円、営業利益で16.7%増の9億円を目指す。
(安藤章司)