「武道では、相手と向き合った時に真実が見えてくる。普段は、礼に始まり礼に終わり、徒弟の序列がだらだらと続く。建前と本音が錯綜し、惑わされることが多いが、いざ試合で向き合えば、真実のぶつけ合いだ。強いか弱いか、ただそれだけ」小学生で合気道、中学、高校は極真空手、大学ではテコンドー、社会人になってレスリングに没頭した。足技に優れ、テコンドーでは全国学生大会3位に食い込むほどの猛者だ。「互いに向き合い、闘うことで本音を引き出したい」
こう考えてつくったのが、タイケツドットコムである。競合する商品やサービスを対決させ、利用者が勝敗を決める。例えば、化粧品会社が自社の商品同士を対決させ、顧客から本音を聞き出す。過去の対決データを蓄積し、時系列で動向を分析することも可能だ。起業に必要な1000万円は、旅行社やネット企業の経営者ら5人から200万円ずつ集め、自らも100万円出資した。
「全額自分で払うこともできたが、経営ノウハウがない。会社を軌道に乗せるには、大きな流れへと橋渡ししてくれる人脈が必要」敗北しない秘訣は、敵をつくらないこと。本音を引き出すには、対決させること。打撃を打ち出して昏倒するまで続く格闘技と、本音と建前が入り交じる実業界とは、実は案外通じているのかも…。
プロフィール
(うえの たかひろ)1974年、東京都生まれ。97年、神田外語大学卒業。同年、栄美通信入社。01年4月に起業し、タイケツドットコムを開設。旅行社のサクラ旅行開発の森下英吉社長ら5人が出資。今年3月、Q&Aサイトのオーケイウェブと提携。