情報システムには、もっと笑いと驚きが必要です――。大阪らしいボケと突っ込みの発想で情報システムを構築するのがイートレックジャパンだ。もともとゲーム開発で成長した同社は、プレイステーション2用など、累計で60タイトル以上制作した。たが、すべて受託開発。「このタイトルをつくった」と言えるものがひとつもない。「ある日、このまま60、70歳になるまで受託し続けるのか、と思ったらゾッとした。それ以後、仕様書どおりに黙々とつくるのをやめた」
「今、手がける案件は、すべて当事者の立場で企画設計している。なかには、自前で仕様書をつくり、合い見積もりを取り、いちばん安いところに発注したがる顧客もいる。だが、こうした案件は、だいたい画一的で面白くない。人々が『楽しさを感じたい』という本能的な需要に応えるシステム案件こそが、利用者に対して、本当の満足感を与える」「だから、顧客とはベタベタな大阪風のお付き合い。格好良くないし、ドライじゃないし、スマートなコンサルタントとは月とスッポン。ただ“笑い”に挑み続けることはやめません。いい加減だったり、ずるいことをしたり、ウソが混じっていたら絶対に笑いは成立しない。努力を重ねてこそ、最後に笑いを引き出せる。一所懸命に努力した結果なら、たとえ赤字の株主総会でも、笑いを引き出せるはず!」
プロフィール
(しんどう たかし)1964年、兵庫県生まれ。京都コンピュータ学院卒業後、ゲーム開発などを経て、95年、ゲームソフトの受託開発・ディープラスを設立。00年、受託をやめてイートレックジャパン設立。今年度(03年3月期)売り上げは前年度比35.8%増の5億3000万円、経常利益は同75.4%増の1億円を見込む。売り上げのうち携帯電話向けのコンテンツ制作・運営が約7割、システム構築が約3割を占める。