学生時代、発売当時世界初となる自動焦点カメラ「ジャスピンコニカ」に魅せられた。迷うことなく志望した。入社以来、一貫してフィルムカメラを開発。開発した機種は16種類を数える。昨年年末、デジタルカメラ開発のためデジタルとフィルムの開発者融合チームを束ねた。初めてデジタルカメラを担当した。
「デジタルは起動時間が遅すぎる。ここぞというタイミングは長くは待ってはくれない。フィルムカメラを担当していた人間には、一番違和感があった。改良点はここだと真っ先に目をつけた」電源を入れてから撮影できるまで3-5秒はかかる起動時間を1.4秒まで縮めた。発売当時は世界初の技術。こだわりと負けん気の強さでチームを引っ張り、デジタルカメラ「KD-400Z」を創り上げた。
「画質には絶対の自信がある。その画質を伝えるうえでも、価値の高い利便性や操作性をいかにのせられるか。そこがカギ」と話す。個人で所有するカメラは約40台。1日にシャッターを切る回数は500回を数える。自ら開発したカメラ3-4台は自費で購入することもあるという根っからのカメラ好き。“世界初”の技術にこだわるコニカ。世界初に魅せられたカメラマニアは、開発屋として世界初を追っている。