「これまで勤めていた会社とは違う」。今年2月、ソフトウェアの輸入販売などを手がけるヒューリンクスの社長に就任したばかりの滝沢氏はこう語る。
外資系企業をわたり歩いてきた。感じていた外資系企業への違和感。「どんなに魅力的な仕事を生み出しても、思い通りにできない部分が多かった」。
外資系ではない企業のトップとして、仕事をさせてもらえる――。縁あって飛び込んできた話に迷いはなかった。
前社長の田崎百合繪氏が一代で築き上げたヒューリンクス。1986年の設立以来、一貫して成し遂げてきた増収増益の実績。さらなる飛躍を遂げることが至上命題だ。
「目標はIPO(株式公開)。企業基盤がしっかりしているし、社員の質も非常に高い。必ず実現してみせる」
失敗を恐れないチャレンジ精神で、自身がより向上できる場所を求めながら、キャリアを積み上げてきた。「前社長の田崎さんは、常に前を向いて突き進んできた人。私と通じるものを感じた」。
「やってみたいと思ったことに、年齢は関係ない」と、2年前からスノーボードを始めた。息子とともにゲレンデに足を運び、汗を流す。その持ち前の行動力は、私生活でも変わらない。
今は何の違和感もなく、明確な目標に向かって仕事ができる。「プレッシャーは大きい」と語りながらも、新たなチャレンジに表情は自信に満ちている。
プロフィール
滝沢 治雄
(たきざわ はるお)1951年、東京都生まれ。74年、武蔵工業大学卒業。同年、日本ユニバック(現日本ユニシス)入社。86年、日本ディジタルイクイップメント(日本DEC、現日本ヒューレット・パッカード)入社。93年、アップルコンピュータ入社。95年、日本モトローラに入社し、取締役。99年、ロジクールに入社し、代表取締役社長。03年、ヒューリンクス代表取締役社長に就任。