国内の社員が約110人、海外のグループ社員は約430人。仙台市に本社を置くグレープシティは、積極的に海外へ進出する。社長は、福永正宣の日本名をもつ。日本語のほかに英語、中国語に精通。1年の約半分は中国やインドなどグループ会社の拠点で過ごす。
「ふとした縁で、昨年、ミャンマーに拠点をつくる足がかりができた」と気さくに話す。同社は88年、中国・西安にグループ会社を設立したのを皮切りに、ニューデリー、シアトル、ウランバートルなど、中、印、米、蒙の各都市に拠点をつくった。「当社の主力製品であるソフトウェアの開発ツールや私学向け学事システムは、いずれも業界トップクラスの水準だと自負している。これは、国内の企画力と中国やインドの非常に高いソフト技術力に支えられている」
「インドは米国との取り引きが長いので、工程管理がとくに優れている。だが、実際の開発では中国の方が強かったりする。だから、意識的に日本とインド、中国の混成チームを編成して、それぞれの強味を発揮できる環境をつくっている」昨年、本社を含む全世界のグループ会社の社名をグレープシティに統一、一体感を強めた。グレープシティでは、異文化のなかでビジネスを組み立てる難しさは、ほとんど感じられない。
プロフィール
ダニエル・ファンガー
(ダニエル・ファンガー)1957年、岩手県生まれ。77年、宮城明泉学園に勤務。79年、通信教育で玉川大学卒業。同学園にて学事システムなどの学園向けソフトウェア開発に着手。83年、文化オリエントに学事システムの開発・販売を移管。その後、文化オリエントの副社長としてソフト開発を手がける。98年、同社代表取締役に就任。02年、社名をグレープシティに変更。インド、中国、米国、モンゴルなどに多数のグループ拠点を展開。今年度(2004年3月期)の年商(単体)は約24億円を見込む。