エー・アイ・ソフト(AIソフト)が強化分野の筆頭に挙げる画像処理ソフト。その開発陣の中、看板商品の責任者を務めるプログラマが平岡靖氏である。上級者向けに開発した画像処理ソフト「デジカメde!!フォト工房 PREMIUM」のプロダクトリーダーだ。「競合他社のシェアを確実に食う品質を作り上げた」と北沢昇(AIソフト)社長は語り、営業担当者は「真面目で品質にこだわり、何より楽しんで作っている姿を見ると、ついつい他の製品よりも力が入ってしまう」と、売り手の気持ちも動かす。
「使う人がいて、物がある。利用者の要望を反映し、使いやすく提供するのが開発者の仕事なんです。『この機能はきっと受け入れられる』という開発者の思い込みだけで作るようなことはしたくない」利用者の声を拾う作業には苦労を惜しまない。自らショップに立って来店客に話しかけ、営業担当者とは積極的にコミュニケーションを図り、要望を吸い上げ、カメラ関連の雑誌編集者と会い、トレンドを聞く。開発初期に決めた仕様よりも、当然仕様書の厚みは増す。締め切り間際には切迫した雰囲気も漂う。「責任者としては失格かもしれないけど、なるべく利用者のニーズは反映させたいから」「ユーザーに近い視点で物を作っているAIソフトに憧れた」学生時代。それから14年。AIソフトの開発陣を第1線で支えている。
プロフィール
平岡 靖
(ひらおか やすし)1970年、長野県生まれ。91年、長野工業高等専門学校電気工学科卒業。同年、セイコーエプソン入社。エー・アイ・ソフトに出向。ディスクユーティリティソフト、FAXソフト用プリンタドライバ、自動画像補正技術などを開発。00年から画像処理・修整ソフトの企画・開発を担当。02年、プロジェクト責任者として画像処理ソフト「デジカメde!!フォト工房」シリーズの企画・開発に携わる。