マイクロソフトの.NETアーキテクチャのエバンジェリストとして活動を続けている。.NETの構造や利点を、誰にも分かりやすく話すことで高い評価を集める。“分かりやすさ”は、物事を構造化する論理性であり、それはソフトウェア開発にも通じる。
優れたソフトウェアは、構造を支える骨格が頑丈に組まれており、誰が見ても分かりやすく整理されているという。それを踏まえた上で、「仮に私の話し方や文章が分かりやすいとすれば、ソフトウェア開発で経験した構造化の技術が生かされているから」と、言葉とソフトウェアプログラムの間には論理的な共通項があると話す。
ソフトウェアの構造化は、プログラムを書くことで成り立つ。しかし、「プログラマー」という呼称は、ソフトウェア開発の底辺にいて、朝から晩まで一心不乱にプログラムを書いている姿を想起させる。「そうしたイメージは間違っている」と、世の中の理解の薄さを嘆く。
ソフトウェア産業で求められている人材は、優れたアーキテクチャを考え出すアーキテクト。構造化の技量を身につけるには、一足飛びでは不可能で、「地道なプログラミング経験を積んでこそ」と、プログラミングの大切さを訴える。
肩書きは「アーキテクト」だが、「自分はアーキテクトという肩書きを持つプログラマー」だと自負する。後輩たちには、将来、アーキテクトになるために、今、プログラムを書くという高い志を持つことが大切と説いている。
プロフィール
尾島 良司
(おじま りょうじ)1969年9月、群馬県生まれ。93年、法政大学文学部日本文学科卒業。94年、日本ユニシス入社。パワービルダーやC++を用いたソフトウェア開発に従事。97年、Javaを用いたシステム開発のあり方についての調査研究の後、Javaによる開発を手がける。02年、.NETフレームワークを使用した開発を始める。開発方法論LUCINA for .NET(ルキナフォードットネット)の策定や.NETフレームワークの啓蒙活動、新聞雑誌などでの記事執筆、講演などを精力的に行う。