パソコンショップを運営していたソフトクリエイトがビジネスモデルの転換を図り、今では法人向けパッケージソフトを柱に据えるソフト開発企業になった。EC(電子商取引)サイト構築パッケージ「ecbeing」で作られたウェブサイトは150サイト以上。メーカーとして事業基盤を固め、今年は株式上場も果たした。
そのパッケージソフト事業を統括するのが岡本康広氏だ。製品企画から営業、開発、サポートまで、パッケージソフトに関するすべての業務を担当する。
これまで幾度か事業転換を図ってきたソフトクリエイトだが、岡本氏も同様に数々の会社、仕事を経てきた。ソフトクリエイトの入社も2度目。営業成績ナンバーワンを続けていながら、一度は「大きな仕事がしたい」と、林勝社長の慰留を断ってソフトクリエイトを離れた。
そんな顛末も振り返れば「プログラムが書きたい。営業がしたい。受託ソフト開発の仕事がしたい。大規模なプロジェクトを動かしたい。その都度出てきた欲求に素直に行動してきただけ」という。
そのなかで湧いてきた新たな欲求が「メーカーに行きたい」。2度目の入社となった3年前は、ソフトクリエイトがパッケージソフト開発を事業の中心にし始めた時期。
「出戻りですからね。中途半端は絶対に許されない。『ecbeing』をEC構築パッケージのデファクト・スタンダード(事実上の業界標準)にしますよ」
変わらない貪欲な姿勢。今はソフトクリエイトをパッケージ事業で引っ張ることだけに集中している。
プロフィール
岡本 康広
(おかもと やすひろ)1971年生まれ、島根県出身。90年3月、島根県立浜田商業高等学校情報処理科卒業。同年4月、日立ソフトウェアエンジニアリング入社。93年、通信機器販売のジャパンメディアシステム入社。94年、ソフトクリエイト入社。99年、富士ソフトエービーシー(富士ソフトABC)入社。02年、ソフトクリエイト入社。