「ヒトと話すのが大好き」──15年以上にわたり、“好き好んで”営業職を続けている。2004年2月、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)から転職した。「最低40歳までは、馬車馬のごとく走る」と、徹夜作業もいとわず、能力をフル回転させる覚悟を決めている。
担当するのは、SAPジャパンにとって未知の領域である中小企業向けERPの拡販。「SAP Business One(SBO)」の成否を分けるパートナー戦略を先頭で仕切る。「日本の商習慣に合った体制をどうつくるかが課題だ」という。
日本IBM時代は、「NTT事業部」に所属。「担当3人で年間170億円以上を売り上げた」こともある。通信業界向けなどを中心にした“ビックアカウント”を得意としていた。国産のハードウェア主体のNTTに対し、IBM製ノートパソコン「ThinkPad」を各支店に初めて導入するなど、営業力はトップクラスだった。
「日本IBMが嫌になったわけではないが、ERPは企業経営全体を変えることができる」。そこに魅力を感じ、SAPジャパン幹部の誘いに応じた。大学時代には「比較経営学」を専攻したが、今になって、その知識が発揮されようとしている。
「ERPを短期間に大量に売る、という今まで当社になかったチャネルビジネスの立ち上げだけに、気合が入っている」と、意欲は揺るぎない。「継続は力なり」が座右の銘。地道な支援が必要とされるパートナー戦略の担当者としては、うってつけだ。
プロフィール
吉田 浩生
(よしだ ひろき)1967年7月、神奈川県横浜市生まれ、38歳。89年、上智大学外国語学部比較文化学科卒業。90年、日本IBMに入社。公共営業統括の「NTT事業部」で営業を担当。NTTドコモ、松下通信工業、ソニーによるPHS端末に音楽配信するサービスを担当。04年2月、SAPジャパンに入社。マネージャー、部長、本部長代理を経て、新設の「SAP Business One推進室」の責任者に就任した。趣味は16歳から続けているカラテで、現在3段の腕前。