2003年始め、米国でのブログの立ち上がりを知った。日本でも「ブログが来る」と確信。「これが来るなと思ったら、半年後にその予感は的中するんです」。先を読む直感と戦略に自信がある。ブログシステムの独自開発に乗り出した。
しかし、ブログシステムを独自開発しても自社で会員を集めて拡大するには無理がある。大手ネット企業の個人向けブログサイトにOEM提供して、その実績を武器に、一般企業へ社内ブログやビジネスブログ用のシステムとして売り込んだ。
この戦略が当たって、同社の知名度は一気に高まった。今年度(06年3月)中間期にはすでに前期の売上高を上回り、通期では2.9倍の6億9000万円に拡大する見込みだ。さらに、今年2月には、東証マザーズ上場も果たした。
ブログでは先頭を走ってきたが、ネットの可能性には「まだまだ白紙の部分が多い」。世界のトップランナーを目指す余地はいくらでもある。ブログで培った力をWeb2.0のサービスなど新たな展開につなげる。
ネット社会が進歩したとはいえ、その歴史はまだ十数年程度でしかない。「記録メディアの変遷にたとえたら、今のネット環境はまだまだカセットテープ段階の時代かもしれない」。
リーバイスのサクセスストーリーが経営の手本だという。ゴールドラッシュ時代に鉱夫向けにつくったジーンズが新しい時代のファッションを生み出した。次世代を切り開く新しいモデルを生み出すのが夢だ。
プロフィール
内藤 裕紀
(ないとう ゆうき)1978年生まれ。東京都出身。98年、京都大学経済学部入学。01年11月、在学中に有限会社ドリコム設立。03年、同社を株式会社化。04年、東京支社開設。05年、ドリコムテック設立。05年3月、京都大学中退。06年2月、東証マザーズ上場。現在、最年少の上場企業社長。