シンクプラスは、ウェブブラウザを同期させてコミュニケーションを実現する「Sync+(シンクプラス)」を開発したウェブコミュニケーションプラットフォームベンダーだ。
「Sync+」開発のきっかけは、SI事業を展開していた4年前に、コンビニの専用端末で携帯電話を販売するためのシステムを請け負ったことにさかのぼる。お客が専用端末に必要事項を入力し、コールセンターが本人認証して販売するという構想だった。購入までのスムースな対応を実現するために、ブラウザを同期させて客側のモニタをコールセンターが先導するアイデアを思いついたことが発端となった。
この案件は結局、発注者側が撤退を決めたために実現には至らなかったのだが、ブラウザ同士を繋げるというアイデアをあきらめることはできなかった。「今まで一方通行だったウェブの世界を、双方向の会話ができる新しい環境に作り変えられる。これは、人々が望んでいることだ」と確信。自社開発に乗り出した。
昨年7月には、「Sync+」を基盤にした営業支援システム「SynchroShop」の販売を開始。ECサイトで店員が実際の店舗のように接客できるものだ。今後は、「Sync+」を軸にさらにソリューションを拡大していく方針。「ISPが導入すれば会員サービスの向上につながる。2年後にはメジャーISPは導入しているだろう」と自信を示す。「Sync+」を「デファクトスタンダードにすることが天命。国産ソフトが世界制覇するかもしれない」と胸を躍らせている。
プロフィール
川北 潤
(かわきた じゅん)1959年7月24日生まれ。84年3月、中央大学 商学部会計学科卒業。同年4月、コンピュータランド勤務。85年2月、アンガマン・バス入社。89年、ネットワンシステムズへ移籍。94年6月、MVP設立。代表取締役社長に就任。06年2月、シンクプラスに社名変更。現在に至る。