学生時代、マイコンの面白さに衝撃を受けた。「多くの人にコンピュータの楽しさを伝え、インパクトを与えたい」と、技術者の道に進む。
国内パソコン市場の成長とともに技術者人生を歩んできた。ここでも多くの衝撃を受ける。
「技術者の最前線にいた頃は、これから市場が形成されようとしている時代だった。夢を持った技術者が多かった」と振り返る。
市場では技術の本質を理解し、しかも斬新な発想を持つ技術者が求められていた。「そのなかで新しい製品を開発できたのは、上司運が良かったから」という。アスキーマイクロソフトで、西和彦氏や古川享氏、成毛眞氏などを通じてコンピュータの深みを知った。カノープスでは藤原睦朗氏に出会い、顧客の視点で製品を開発する大切さを学んだ。「業界で名をはせた人物から教わり、技術者としての腕を磨いた」。
今年4月からロジテックに入社し、開発部スーパーバイザーとして技術者の教育に携わっている。「マニュアル通りの開発では優秀な技術者になれない」。上司に恵まれた経験を生かし、今度は自分が上司の立場から部下の若い技術者に“本当の技術”を教え込むという。「デジタル家電の登場で、パソコンや関連機器市場の成長が問われている。斬新な製品を市場に投入し、こうした状況を覆したい」としている。
今の上司である葉田順治社長は、「理路整然としたロジカルな思考の持ち主。コンシューマ分野でトップを目指す志に惹かれた」。上司運の良さは続いているようだ。
プロフィール
中田 潤
(なかた じゅん)1984年3月、大阪工業大学工学部電子工学科卒業。同年4月、東芝コンピュータエンジニアリング(現・東芝デジタルメディアエンジニアリング)入社。当時の東芝パソコンブランド「パソピア7」の音声入出力ユニットを設計。85年、アスキーマイクロソフト(現・アスキー)入社。家庭向けコンピュータ規格「MSX」のグラフィックチップ開発に携わる。92年、カノープス電子(現・カノープス)入社。ウィンドウズパソコン向けグラフィックチップ搭載のアダプタ、テレビチューナーカードなどパソコン関連機器分野で新しい製品を次々と開発する。06年、ロジテックに入社。スーパーバイザーとして技術者の教育に従事している。