リバーベッドテクノロジー日本法人が設立から8か月を迎えようとしている。「当社の知名度は、急激に向上している。来年早々には、デファクトスタンダードになる」と言い切る。
WAN高速化を実現するネットワーク製品が売りの同社に入社し、「設立当初は、WANを高速化すると説明しても、販売代理店やユーザー企業に理解してもらえなかった」と振り返る。しかし、WAN構築によるデータ遅延は、多くの企業が抱えていた問題。「たちまち顧客が増えてきた」。
WAN高速化製品の浸透具合は、「現段階では30%程度」とみている。今後は、「保守サービスを手がけるなどサポート強化でパートナーが売りやすい環境を作り、需要を掘り起こす」。市場の確立に向け、これからが腕の見せ所となる。
同社に入社する以前から、「何もない状況で新しい製品やサービスを創造することが多かった」という。サン・マイクロシステムズではユーザー企業の教育トレーニングを事業化した。代表取締役としてミラポイントジャパンを成長軌道に乗せた経験も持つ。
高専卒業の学歴から、コンピュータの道を志していたと思われることもしばしば。しかし、「この業界に進んだのは偶然。学生の頃は将来の夢なんて考えていなかった」と苦笑する。今は、「新しい技術を搭載した製品など、世間で知られていないものを啓蒙していくことに生き甲斐を感じている」。その思いを満たす現在の仕事は、“天職”といえよう。
プロフィール
井上 祥二
(いのうえ しょうじ)1963年5月18日生まれ。福岡県久留米市出身。83年3月、国立久留米工業高等専門学校卒業。88年7月にサン・マイクロシステムズ、02年2月にベリタスソフトウェア(現シマンテック)などを経て、03年4月にミラポイントジャパンに入社。同社では、エリアセールスマネージャー、常務取締役、代表取締役を歴任。05年10月、米リバーベッドテクノロジー入社。05月12月、リバーベッドテクノロジー日本法人の設立にともない、代表取締役社長に就任。