情報漏えい対策のニーズを受け、一般的になったログ収集・管理ソフト。今では、多数の製品が乱立する競争の激しい分野だ。
情報セキュリティ関連企業の網屋も、この分野に参入した企業の1社。「ALog(エーログ)コンバータ」の発売は、2004年8月と決して早くない。だが、その製品コンセプトが受け入れられ、発売当初から好調で現在約70社が使う。その大半が大手企業で他社製品からの乗り換え。松下電器産業グループや東急百貨店などが次々と導入を決めた。
そのヒットの仕掛け人は、石田晃太ゼネラルマネージャー。営業が本職だが製品企画段階から携わりマーケティングも担当する。
「使いやすく分かりやすい」。複雑なイメージを持たれやすい情報漏えい対策や内部統制関連ソフトは、どの商品でもこのうたい文句が枕言葉になる。ただ、ALogコンバータは、この言葉に対して極めて忠実。ためたログの見せ方、分析ツールの操作性、そして現実的な運用に耐えうるログ管理方法。「ログ収集ソフトはただためておくだけで、管理できない」という顧客の不満を一掃した。
「自分たちのやりたいことをやるのか、それとも相手(顧客)の要望に応えるのか。どちらを選択するか。商売をするうえで、当たり前のことをきちんとやれば勝てるんです」
石田さんは、IT産業界で長年のキャリアがあるわけではない。ただ、要望を聞く耳と先を読む眼で勝負。ALogコンバータの製品コンセプトと実績がその力を実証している。
プロフィール
石田 晃太
(いしだ こうた)1972年9月生まれ、東京都出身。大学卒業後、IT系ベンチャー企業を経て00年3月、網屋に入社。現在はセキュリティ関連プロダクトの営業やマーケティングを担当する。