文系出身で営業からSEに転身した。これは「日立では珍しい」という。入社して2年ほど、マーケティングに従事していた。客先に出向いた際には「仲良くしたいから」と飲みに行ってしまうことも。能力が買われ、営業からスカウトされて転属。顧客の新規開拓に注力し、他社PCをリプレースするなど「派手な実績を積み上げていた」ことから、幹部と同席して会議にも参加した。
2年前に転機が訪れた。BOXERBLOGを立ち上げた小川浩氏(現フィードパスCOO)の後任にと打診があった。BOXERグループではプレゼンできる人材が不足し、松本さんに白羽の矢が立った。当時のBOXER事業は、存続の危機に瀕していた。
最初はかたくなに拒んだが、「上司の『絶対につぶさない』という熱意に触れ、不安はあるが異動を決めた」。異動してからは知識を補うため、他社のブログを片っ端から立ち上げた。「でも、力尽きて今はミクシィしかやっていないけど」と苦笑いする。
BOXERBLOGは実績に乏しく、厳しい状況を打開するため、日立の大口ユーザーや日立が付き合えなかった顧客に導入し、その地位を確立していった。
ブログを導入することで売り上げが伸びる企業も現れているが、導入例はまだ少ない。今後は「もっとブログを普及させたい」と話す。ブログ先進国の米国ではブログを自己PRにしか活用していないことに目をつけて、「情報共有型ブログ」であるBOXER BLOGで、米国進出をもくろむ。
プロフィール
松本 匡孝
(まつもと きよたか)東京都出身。1989年3月、明治大学卒業。同年4月、日立製作所入社。PC事業部門のマーケティング担当を経て営業に転属、汎用機からサーバー、ミドルウェア、ERPパッケージまで幅広い製品のセールス活動に従事するかたわらアライアンス担当として、著名なITベンダーとの協業を実現。2年前にイントラブログ「BOXERBLOG」を担当し、製品の企画、マーケティング、プロモーション活動に従事。現在、BOXERBLOGに関する情報サイトにてブログを公開中。
(http://boxer.ne.jp/column/matsumoto/)