1977年、鐘紡で社内ベンチャーとして情報システム事業を立ち上げ、年商200億円、800人規模の事業へと成長させた。退職後はセコム情報システムの社長に就任。また、パスコのトップとして、事業再建に力を注いだ。
パスコの会長だった3年前、鐘紡時代の部下、グレープシティの竹原保副社長から「面白いアイデアがある」と「Clogger(クロガー)」の構想を持ち込まれた。大嶽氏は「どんなに良いアイデアでも、賞味期限は短い。早く事業化したほうがいい」と助言した。当初は他社と組んで事業化する予定だったが、大嶽氏の助言なども踏まえ、自前で立ち上げる方向に転換。昨年6月に子会社設立にこぎつけた。大嶽氏はグレープシティからの要請で、yataiのCEOに就任した。
ドメインを越えた複数サイトから、ユーザーが興味をもった商品やサービスの情報を収集し、ウェブ上で紹介できるサービスが「Clogger」。いずれはテレビや印刷物など、あらゆる媒体からモノ情報を収集できる環境を構築するのが目標だ。
自称「熟年フリーター」。現在は、IPOを目指す企業など複数の会社の運営支援をしている。yataiのCEOに加え、社外取締役、監査役…。支援する会社の分だけ肩書きを持つ。人生をマラソンに例えると「メインスタジアムにさしかかったところ」。今までは組織に貢献してきた。今度は自分の意思で社会貢献することで「自分の納得のいくゴール」を目指して走り続ける。
プロフィール
大嶽 貞夫
(おおたけ さだお)慶応義塾大学工学部卒業。鐘紡(現カネボウ)生産技術研究所に入社。1977年、社内ベンチャーとして、社外のシステムを手がける情報システム事業を4人で発足させる。85年、情報システム事業本部長に就任。97年にセコム情報システム(現セコムトラストシステムズ)の社長。99年セコムグループ傘下の測量会社パスコ社長、03年同社の会長を歴任した。05年、セコム顧問を経てリスクマネジメントを手がける日本RMSを設立し、複数の企業について社外取締役、監査役、顧問の立場から支援している。06年、グレープシティの子会社yatai代表取締役就任。