17歳の時、動画圧縮技術を利用した「MPEGエンコーダー」を1人で開発した。「Tsunami MPEG Encoder」の名称でフリーウェアとして公開したところ、世界中から大反響があり、一躍「時の人」となる。「最先端の技術を分かりやすく提供したい」と、2001年に数人のメンバーとペガシスを設立、海外製品で占められる市場に参入した。
「押し寄せるイメージ」から名づけた「Tsunami」は現在、ペガシスの主力製品「TMPGEnc」のブランド名で、MPEG編集ソフトやDVDオーサリングソフトなどと一緒に量販店の店頭に並ぶ。フリーウェア時代から一般ユーザーに広く支持されてきただけでなく、ゲームソフト「鬼武者」やソニー製パソコン「VAIO」にもバンドルされるなど、プロにも採用された。
高画質・高機能で卓越した技術のソフトだったため、一時は「大手電気メーカーのエンジニアが匿名で開発したもの」との噂が立った。だが、当人は「動画に興味があり、独学で勉強して、いろんな人に使ってもらうのが面白いと感じた」と、淡々と語る。
生まれながらに難聴の障害を抱える。コミュニケーションは多少不自由だが、同社の社員は「100の説明が必要なところを、1で分かるように説明してくれる」と、堀氏の考える力や理解力の凄さ、経営センスに舌を巻く。本人は自身についてこう表現する。「情熱的ではない。クールな感じですか、ね」。
「伝説の開発者」と称賛されるだけあって、クールでありながら闘志に溢れている。
プロフィール
堀 浩行
(ほり ひろゆき)1981年1月、茨城県水戸市生まれ。26歳。98年頃、17歳の若さでMPEGエンコーダー「Tsunami MPEG Encoder」を開発。01年11月、数人のメンバーとペガシスを設立し、「TMPGEnc Plus 2.5」のダウンロード販売を開始。現在、CTO(最高技術責任者)として全製品の開発を指揮する。趣味はSFやアクション映画を鑑賞すること。