“Ajax=HOWS”。庄司渉副社長の「緩やかな連携のもと、単独で機能する」というソフトコンポーネント化の考え方。これが「Ajax(エイジャックス)」のコンセプトが近かったことから、「使える」と考え、両者を結びつけてアピールしている。
「一昨年はAjaxの黎明期、昨年は認知度を高める年だった」。そして拡大期と位置づける今年、完全オブジェクト指向型コンポーネントの開発のほか、コンポーネントと技術を駆使してBtoBtoE向けにインフラに近いアプリケーションを提供しようとしている。
その一つが「HOWS Mail(ハウズメール)」。「世界最速」メーラーだ。目指すは業界ナンバー1企業への導入。「外資系企業は、日本の各業界のベスト5を攻略する戦略で成功してきた」。現にアクシスソフト時代、ビズブラウザーは大手保険会社へ導入が決まったことで道が開けたという経緯もある。
経営に関する考え方は、人との出会いにより培った。ある人は社員のモチベーションを引き上げるにはどうしたらいいかを考えている。ある人は人間的にどうかと思えるところがあっても戦略発想が優れている。また、ある人は現場を重んじ、権威主義ではないため人が集まってくる。「何から何まで素晴らしい人間なんていない」。自分の周囲に深みのある人間を置くことで、「いいと思った考え方は咀嚼し、経営に生かしている」のだ。
勤務は完全フレックスタイム制、兼業OKで定年なし。多様性の時代、社員が生き生きとした日々を過ごすためにはどうしたらいいかを常に考えている。「顧客を、社員を、そして社会を大事に」。決して株主第一主義ではない。強い信念をもって、日本から世界を目指す。
プロフィール
大塚 裕章
(おおつか ひろあき)1972年、慶應義塾大学工学部管理工学科卒業。同年4月、日本科学技術研修所に入社。89年、アクシスソフトウェア設立、社長に就任。オラクルに特化、技術に強い会社として発展。業務用ブラウザ「Biz/Browser(ビズブラウザー)」を開発、販売。40万本以上の販売実績を上げ、リッチクライアントという市場を確立した。03年、アクスシスソフト会長就任。05年庄司渉氏(現副社長)とともにHOWS設立、社長就任