「ベンチャー企業で困るのはボディが小さいことくらい。山、谷はあると思うが、やりがいがある」
NECで金融ソリューション事業部長、中部支社長を務めた後、日本システムウエアを経て、今年4月、Eコマースサイトの構築、アウトソーシングを手がけるリンクマネージの社長に就任した。
「システム開発は、受注して作って、というビジネスが大半」。売り上げのブレが大きく、営業活動が鈍くなれば急激に業績が落ちる可能性もあるし、客先に導入するので効果も実感しにくい。仕事の満足感を覚えづらいことを続けたくはなかった。
「ソリューションは、システムを作ったら終わり。だが、Eコマースはシステムがいいから売り上げにつながるのではなく、継続的に支援することで効果が現れる。顧客の発展を一緒に分かち合える喜びがある」という。Eコマースでの売り上げアップを支援する、アウトソーシングサービス「CREOSS(クレオス)」を主力に、130サイトを構築、50社の運用実績を持つリンクマネージ。最近では、営業が売り込みをかけなくても、「口コミで広がったのか、よく問い合わせがくる」そうだ。
今年4月、社長に就任したことで本格的な事業構造改革に乗り出した。着手したのはサービス事業の強化だ。次の一手として新たに「法人向け広告事業」を開始する。
「現在のところ、アウトソーシングなどサービス事業の売り上げは全体の4割を占めている。今後はサービス事業を、さらに全売り上げの6割まで引き上げる」ことを計画している。
「社員向けサイト」を利用したビジネスモデルでニッチな市場の開拓に意欲を燃やす。
プロフィール
原田 公夫
(はらだ きみお)■1947年12月3日生まれ。■70年3月、慶応義塾大学経済学部卒、同年4月、日本電気入社。金融ソリューション事業部長、中部支社長を歴任。■04年3月、日本システムウエアに入社し、執行役員常務ソリューション事業本部長を務める。同年10月、リンクマネージ代表取締役副社長を兼任する。■07年4月、リンクマネージ代表取締役社長に就任、現在に至る。■趣味はぐい呑み集めなど。NEC時代、出張するたびにぐい呑みを買って帰り、コレクションは80種類100個にのぼる。