応研は昨年、社運を賭けて、中堅・大企業向けERP「大臣エンタープライズ」を世に出した。藤井美寿穂は、社内の精鋭4人から成るその専任チームに、入社わずか3年目で抜擢された。
前向きな姿勢に裏打ちされたコミュニケーション能力の高さが、藤井の最大の武器。入社後、首都圏で同社の主力製品である業務ソフト「大臣NXシリーズ」の拡販を2年半担当し、販売パートナーに同行しながら、プリセールスの役割を果たしてきた。武器は、そのなかで磨かれた。
「最初は、お客様のお話を理解できなくて、とんちんかんな受け答えをしたり、製品に対するシビアな評価を突きつけられたりすることもあった。それでもプロとして応対しなければならないので、元気に明るく、会話のリズムを崩さず、とにかく情報をどんどん聞き出すことを心がけた」という。もともと、コツコツ勉強してディテールを積み上げる作業は得意にしている。得た情報をもとに“顧客に刺さる”提案を作成し、コミュニケーションを図るきっかけにしたことで、相手の信頼をがっちりと獲得するという藤井の勝ちパターンが形成されていった。
「お客様にもパートナーにも、何も知らなそうな女の子がやってきて大丈夫か、という顔をされたが、それをひっくり返すのがおもしろかった」と、笑顔の裏に大胆不敵な顔がのぞく藤井。自らが女性の営業担当者であることも強く意識している。「社内には女性営業はまだまだ少ない。そんななかで、私が入社するずっと前から、応研が10年以上温めてきたプロジェクトに携わっていることに大きな喜びを感じている。女性営業にしかできないことを確立したいし、女性の働き方のモデルケースになるような結果を出したい」と、意欲を燃やしている。(文中敬称略)
プロフィール
藤井 美寿穂
藤井 美寿穂(ふじい みずほ)
1988年生まれ。福岡女子大学卒業後、応研に入社。入社と同時に上京し、都内、千葉、埼玉で中小企業向けパッケージソフト「大臣NXシリーズ」を拡販する営業活動に従事する。2013年7月、中堅・大企業向けERP「大臣エンタープライズ」のプロジェクトチームに配属。現在は全国を市場に、「大臣エンタープライズ」の提案、デモンストレーション、導入支援を行っている。