大の司馬遼太郎ファンだという和田圭介。好きな歴史上の人物をたずねると、「いろいろいる」と少し迷いつつも、「高杉晋作」の名を挙げてくれた。「幕末の志士たちが、日本をどうすべきかと憂慮するなか、とくに尖って考えていたのが高杉晋作だった」と、熱く魅力を語る。そんな和田は、「世の中に新しい“あたりまえ”をつくる」という野望を抱いている。
大手外資ERPベンダーに新卒で入社。うまくいかなかった時期もあったというが、国内トップクラスの営業成績を残した。このまま勤続して何ら不思議はないが、和田自身は「やりきった」と惜しげもない。「(同社の製品は)すでに国内大手企業はほぼ使っている。『(○○社に)初めて導入された』というようなことはなかった」。大手企業の間では、すでに使うことがあたりまえになっていたのだ。
Sansanに入社後は、業界トップ企業向けの営業チームであるアカウント営業部の立ち上げに参画。シンプルに「お客様がどういう人なのか理解し、どう話を進めていくかを考える」ことを徹底して、社内法人営業の過去最大案件の受注を成し遂げた。「相手との間に壁をつくらず、自分をいかにさらけ出すか」という営業スタイルが寄与するところも大きかった。
今、和田の担当している企業の売り上げを合計すると、日本のGDPの10%になるのだそうだ。「この10%の方々がSansanの名刺管理サービスを使っている状況になれば、あたりまえに近づくのではないか」。そこに自分が携わっていることを楽しんでいる。「10年後、みんながデータで名刺情報をもっている世界になって、『自分がやったんだ』という痛快さを感じたい」と、名刺を紙ではなくデータで管理する世界への改革に、意欲を燃やしている。(文中敬称略)
プロフィール
和田 圭介
和田 圭介(わだ けいすけ)
1986年、長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、SAPジャパンに入社。国内トップクラスの営業成績を達成。2014年9月、Sansanに入社。名刺管理サービス「Sansan」の法人営業を担当、15年からアカウント営業部のコアメンバーに。現在、総合商社、キャリア、コンビニ、広告業界のトップ企業を担当。