「プライドをもって働けるプロフェッショナルな仕事に憧れて」、新卒でコンサルティングファームの徳碩管理咨詢(ABeam Consulting China)に入社。しかし、王怡〓(〓雨冠に文)は、すぐに挫折を味わうことになる。
 
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 2年目、海外研修制度を活用し、日本のプロジェクトに携わった。だが中国とは異なり、王が得意とする日本語は、日本では誰もができてあたりまえ。強みにはならなかった。自身が高いパフォーマンスを発揮するには、コンサルタントとしての本来の実力が試される。王には、そのための経験も知識も不足していた。「思うようにいかず、大きなショックを受けた」。

 一朝一夕で修得できることには限界がある。それが顧客の業務を深く理解する必要があるコンサルティングならなおさらのこと。王は自覚した。「私は天才じゃない。諦めずに続けていくことこそが、成長への一番の近道なんだ」。

 中国に戻ると、人一倍厳しい道を歩んだ。北は遼寧省、南は広東省と、どれも数か月間以上続くプロジェクトを長期出張で担当。多忙な時期は、早朝から夜遅くまで、ときには昼食抜きで仕事に熱中した。昨年、プライベートで子宝に恵まれ娘を出産したが、産休は5か月のみで現場に復帰している。

 今年でキャリア11年目を迎えるが、「仕事を辞めるつもりはないし、まだまだ学ぶことは多い」と王。人材の流動が激しい中国のなかでも、コンサルティングファームでの10年選手は稀有な存在だ。最近では、そんな彼女に憧れて、出身大学から多くの人材が同社に入社。キャリア形成の象徴となっている。

 思うような成果が挙げられないと、すぐに不得手と決め込んで、別の道を探す若者は少なくない。しかし、その先にあるのは、本当に自身の成長なのか。王は、後輩たちに継続する大切さを伝えていく。(文中敬称略)