“中国出身のビジネスパーソン”と聞くと、強烈な上昇志向をもっていて、転職によるキャリアアップを頻繁に試みるといったイメージが多くの日本人に刷り込まれているかもしれない。しかし、任玲の価値観はそれとは少々異なるようだ。中国・瀋陽市の高校卒業後、日本に留学し、大学卒業後は新卒採用で東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)に入社した。勤務歴は10年近くになるが、彼女は会社に対して大きな不満を感じたことは一度もないという。「一緒に留学した同級生が何人かいて、彼らも日本で就職している。私以外はみんな自分の職場に不満だらけなのがおもしろい」と屈託なく笑う。
ビジネスの世界では会計の知識が必須になると考え、大学では会計の知識を身につけた。そして、これから伸びる産業としてITに注目。会計×ITの解として導き出した就職先が、日本のSIerであり、ERPパッケージベンダーでもあるB-EN-Gだった。入社後は、ERPの導入コンサルタントとして、アジアを中心に海外を飛び回る日々。ビジョンをもって積み上げてきた会計の知識や言語、アジアの商慣習に対する知識は、顧客や関係者との信頼関係の構築を強く後押ししてくれた。「同じチームのメンバーはもちろん、開発チームなどとも何かあったら助け合うような関係が自然にできている。居心地がよくて仕事のやりがいもある今の職場が本当に気に入っている」。
結婚・出産を経て、復帰直後は勤務時間の問題も考慮され、導入コンサルと製品サポート部門の業務を半々の割合でこなす勤務形態に。「サポート業務を経験したことで、よりお客様にとってメリットがあるパッケージの使い方をイメージできるようになった」と、ERPの導入コンサルとしてのキャリアを極めるという意欲にかげりはない。(敬称略)
プロフィール
任 玲
(Ren Ling)
中国瀋陽市出身。高校卒業後に来日し、大阪府立大学経済学部に入学。2009年、東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)入社。グローバルビジネス対応のERPパッケージ「A.S.I.A.」(現在の「mcframe GA」)の導入コンサルタント、保守サポートを担当。プライベートでは1児の母。