記者の眼
ディストリビュータにも動き
ITの隣接業界、類似業種へ接点拡大

　SIerのIoTビジネスに呼応するように、付加価値ディストリビュータにも動きが出始めている。ネットワンパートナーズは通信機器メーカーなどと協業して、生産管理や大規模商業施設、スタジアムでのIoT活用の研究に力を入れている。IoTはさまざまなデバイス（端末）やIT機器の販売機会が期待される一方、本特集でレポートしたように従来型の売り方が通用しない傾向が強い。ディストリビュータとしても「IoTの特性を掌握し、販路開拓に役立てる」（ネットワンパートナーズの金井朗子・マーケティング＆ビジネス開発部部長）ことがビジネス拡大につながるとみている。

　とりわけ生産設備、電気工事、通信エンジニアリングといった情報サービスと接点がありつつも、「SIerとは微妙に異なる類似業種ともIoTをきっかけに関係づくりを進めていく」（澁谷英之・マーケティング＆ビジネス開発部第2チームリーダー）。SIerは従来どおり重要なビジネスパートナーではあるが、隣接業界や関連業種とのコンソーシアムに参加したり、異業種エコシステムの形成を働きかけたりするのも付加価値ディストリビュータの重要な役割と話す。

　IoTはその名の通りインターネットのビジネスである以上、水平分業型のエコシステムをいかに成長させるかがポイントになりそうだ。