──2021年は富士通PCが誕生40周年を迎える節目の年だった。どのような1年だったか。
さまざまなチャレンジができた年だった。40周年記念事業をいくつか展開し、例えば(ノートPCである)「UHシリーズ」のキーボードを単体で製品化し、クラウドファンディングという新しい方法で販売した。
また、デジタル機器の扱いを苦手とする方に向け、AIアシスタント「ふくまろ」によるサポートサービスを展開する一方、ハイリテラシーユーザーを対象としたノートPC「FMV Zero」を投入するなど、FCCLが必ずしも得意としてこなかったカスタマーセグメントへ浸透していく取り組みを進めた。「挑戦するFCCL」を、お客さまにも取引先様にも好意的に受け入れられていると自負している。
代表取締役社長CEO
大隈健史
──社長就任から9カ月が過ぎた。
楽しいチャレンジをさせてもらっているが、かなりタフなビジネスの現実を突き付けられたとも感じる。複雑な感情ではあるが、面白い環境に飛び込んできたと思う。
レノボと富士通の「いいとこどり」
──大隈社長の就任で、レノボ色がより強まるという声もあるが、どう考えるか。
18年5月にJVが始まった瞬間では100%富士通であり、全てを引き継いで始まった。そこを起点に考えれば、レノボ色が強くなることは想定された動き。調達にレノボの力を活用したり、人材交流も若干名ながら始まったりしている。
富士通との関係も、プロダクトを売っていただくパートナーというところを越えて、富士通が進めるDXやソリューションにFCCLとしてどうサポートができるかを追求していかなければならない。そう考えれば、関係性が変わってきているのは事実だろう。ただ、レノボカラーに塗り替えるということではなく、いいとこ取りができる、最適なポイントを見極めるのが私や齋藤(邦彰会長)の仕事だ。
──22年の抱負を。
クライアントコンピューティングにコミットした事業会社として、最適なものを最適なタイミングで提供する。正直に言えば、21年は供給の問題などでそこが完全にできなかった面がある。調達面も全力で頑張り、役割をきっちり果たすことを最優先したい。
そして、その上で成長を果たす。国内市場の狭いところだけで戦っていては縮小均衡になってしまう。失敗することもあるだろうが、新しい試みにどんどんトライして、その中から将来のビジネスの柱が育っていけばいい。会社のカルチャーを変えていきたい。