――2022年の市場環境は。
コロナ禍で生じた新しい働き方への対応や、企業におけるDXの取り組みがさらに加速し、IT市場への期待がより大きくなった。ITを利活用することで、景気の波に左右されない事業基盤を適正に構築していかなければならないという危機感とニーズが、IT投資を加速させているといえるだろう。
ダイワボウ情報システム
代表取締役社長
松本裕之
――商材別のビジネスの状況は。
PCについては、GIGAスクール構想関連といったIT業界で生じた特需と、その後の反動を踏まえ、22年は当社として目指すべき成長軌道に向けてスタートした。順調に推移する中、商品不足や今後の価格高騰を警戒するお客様から前倒しで注文をいただくといった例年とは異なる動向もあった。クラウドサービスは、大きく投資した結果、提供できるサービスが整ってきた。お客様からの需要は増えているので、ポータルサイト「iKAZUCHI(雷)」を通じて多くのサービスを提供し、当社やパートナーのビジネスの拡大を目指す。サーバーやネットワークに関しては、まだ納期が見えていない部分はあるが、23年はこうした影響がある程度なくなり、正常な状態に戻っていくとみている。
PCを主軸に事業領域を拡大
――23年の注力領域は。
リプレース需要が徐々に始まるPCを主軸としながら、それらを取り巻くクラウドサービスやインフラビジネス、セキュリティに注力する。多様化するお客様のニーズに対応するITインフラは、オンプレミス中心からハイブリッド型に変化している。当社はこれまで、オンプレを軸にした提案によって事業領域を拡大してきたが、今後はクラウドサービスも加えたソリューションを活用して事業領域の拡大に挑戦する。
――クラウドビジネスの方向性は。
20年からスタートした「Amazon Web Services(AWS)」のビジネスは、営業支援や教育支援、サポート体制の拡充を進めており、順調に実績が出ている。特に力を入れている地方と中小企業向けのビジネスも伸びており、23年はさらに前進させる。22年に米Google(グーグル)とディストリビューター契約を締結して国内での取引を開始した「Google Cloud」と、販売を促進している「Microsoft Azure」も含めて、お客様のニーズや状況に合わせて最適なソリューションを提供し、クラウドビジネス全体のさらなる成長を目指す。
――23年の抱負を。
パートナーを介したITビジネスを推進し、ベンダーやパートナーの期待に応えながら、ITディストリビューターとして各地域の発展に貢献していく。パートナーやユーザーのDXをしっかり支援し、IT市場を着実に成長させる年にしたい。