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新局面迎えるNECのDC事業 多様なニーズに応える戦略を展開

2023/10/05 09:00

週刊BCN 2023年10月02日vol.1986掲載

 NECのデータセンター(DC)事業が新たな局面を迎えている。コロケーションをはじめとした既存領域での機能拡張はもちろん、高まりを見せるハイブリッドクラウド、マルチクラウド時代に対応した体制を構築するなど、多様な観点から事業を推進。規模への対応、地域密着性の確保、クラウドとのコネクティビティの追求といった戦略を打ち出し、複雑化するニーズに合わせてDCの役割を変化させている。
(取材・文/大河原克行  編集/藤岡 堯)
 

SIer系の役割にとどまらない

 一般的にDC事業者は、SIやアウトソーシングを含めた事業を行うSIer系、ネットワークを含めたサービスを提供するキャリア系、クラウドやIX(相互接続点)との接続を特徴としたり、ハイパースケーラー向けに特化したビジネスを行ったりする専業系に大別される。

 NECのDC事業は、SIer系に分類されるが、2022年度からはDC事業の枠を拡大し、クラウド事業者などとのコネクティビティ機能などを強化しているのが特徴だ。

 マネージドサービス部門サービスプラットフォーム統括部の伊藤誠啓・DC共通基盤グループディレクターは、「SIer系事業者に共通しているのは、ビジネス規模が大きいものの、成長率が低いという課題がある点だ。その一方で、コネクティビティを強化した専業系事業者は、高い成長率を維持している。当社はクラウド事業者などとのコネクティビティを強化することにより、成長率を高め、事業を拡大していく方針を打ち出している」と語る。

 従来のSIer系DCの役割にとどまらず、接続性を強化することで、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドに適した機能を提供し、事業拡大に取り組むことを基本戦略としているようだ。

 NECは国内に12拠点のDCを展開しており、それらを機能別に「コアDC」「地域DC」「クラウドHubDC」の3形態に分けている(図1参照)。
 

 コアDCは、NEC神奈川DCと、NEC神戸DCで構成。神奈川の第1期棟は約3000ラックで運用。23年下期には、第2期棟が約1500ラックの規模で稼働する予定だ。神戸は、第1期棟、第2期棟とともに、それぞれ約1500ラックで運用。24年上期には、第3期棟が稼働することになる。コアDCでは国内の小売り大手向けにサービスを提供しているほか、外資系クラウド事業者やECサイトといった大規模ユーザーにもサービスを提供している。
 
(左上から時計回りに)印西、神奈川、神戸、名古屋各DCの外観パース。
NECはそれぞれのDCに多様な役割を持たせ、ニーズに応えている

 また、クラウド基盤の「NEC Cloud IaaS」を運用する拠点に位置づけており、各種クラウドサービスとの接続により、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境の構築、これらの運用管理を行うマネージドサービス、クラウド間のデータ連携サービスなども提供している。

 地域DCは、国内9拠点に展開しており、地方公共団体や地場企業向けにサービスを提供する地域密着型DCと位置づけている。それぞれに数百ラックの規模を持ち、コアDCとのDC間ネットワークを介して、地域DCからもクラウドサービスへの閉域接続を可能としている。今後は、政府が打ち出す「デジタル田園都市国家構想」に対応した活用を加速する考えだ。
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  • 成長領域は「クラウドHub」
  • 生成AIの運用拠点にも

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