――2023年の振り返りを。
23年はインボイス制度と改正電子帳簿保存法に向けて、どの企業も業務改善をどのようにしていくかとの点に直面した。基幹業務ソフトのみならず、周辺サービスの部分も大変、脚光を浴びた。そうした中、しっかりとお客様の需要をつかむことができ、好業績につながった。年間を通じていい年だった。
代表取締役社長 佐藤文昭
――インボイス制度関連の事業の状況は。
主要顧客である中小企業は、既存ソフトの最新版への入れ替えが進んだ。とはいえ、デジタルインボイスへの対応についてはまだまだだ。その点を踏まえると、デジタル化や生産性向上の需要はこれからも続くと予想しているので、引き続き努力していく。
PCA Hubシリーズの強化に注力
――23年はパッケージ版の販売終了を発表した。
われわれは、企業や働く人に寄り添い続けることを掲げており、そのためには常に最新版の製品を提供し続けることが適切だと考えている。どこかのタイミングでパッケージ版の販売について決断しなければならない状況の中、受け皿となるサブスクリプションサービス「PCAサブスク」が認知度を含めて熟したことから、24年3月での新規販売の終了を宣言した。とはいえ、29年3月までサポートを続け、保守については28年3月まで継続するので、既存ユーザーについてはその間にPCAサブスクへの移行を促したい。
――24年の注力点は。
23年は基幹業務の周辺サービスが特にクローズアップされた。需要をしっかり取り込むために、「PCA Hubシリーズ」の強化を図ることが今後に向けて大事になると考えている。既に提供している証憑電子保管と給与明細配信、請求書配信の三つのサービスに加え、24年は年末調整と労務周りのサービスを新たに提供する予定だ。
また、建設業の労働時間の上限規制が始まり、特に中小企業にとっては従業員の定着が重要になるので、PCAグループとして関連サービスの提供にも注力する。
――今後の市場の見通しと意気込みを。
制度改正や労務の関係でデジタル化は避けて通れないと各企業が認識しており、ITへの投資意欲は継続するとみている。ビジネスの環境は引き続き良好になるだろう。
24年はパッケージ版の新規販売終了後、最初の1年になるので、転換を大きなテーマにしながら、お客様に寄り添うためのサービスを拡充するとともに、われわれのDXに向けた転換も進めていく。将来の成長に向けてしっかりと足元を固めていきたい。