──2024年の振り返りを。
各プロダクトで堅調に成長できた。営業DXサービス「Sansan」はコロナ禍で減速したものの、企業の拠点情報をデータベースに追加するなど営業を支援する機能の強化を進め、再び高成長の軌道に乗ったことが数字にも表れた。契約数は1万社を超えており、次は10万社を目指してぐっと伸ばしたい。
富岡 圭
共同創業者 取締役執行役員COO
インボイス管理サービス「Bill One」に関しては高成長を維持した。単に業務を効率化するだけではなく月次決算を加速するという経営層や経理部門の課題解決にフォーカスした製品開発が競合優位性になっている。
──営業体制の強化を図ったが成果は出たか。
人員を増やし、受注増につながってきている。きちんとした成果は25年に出るだろう。これからは各営業の生産性をさらに上げる取り組みを進める必要がある。顧客の拡大に伴いカスタマーサクセス部隊も強化し、それぞれのプロダクトで、低い解約率を維持したい。
パートナーと協業するスペースは大きい
──25年のSansanの販売戦略は。
Sansanの名刺データを外部システムに連携する「Sansan Data Hub」を訴求したい。利用する顧客はかなり増えてきており、特に米Salesforce(セールスフォース)製品との連携で活用されている。Sansanが名刺管理だけではなく営業DXに寄与するプロダクトであることは徐々に市場に定着してきている。Sansan Data Hubによりプロダクト単体だけではなく関連するシステムとの連携によって営業の高度化を支援することを訴える。メインのターゲットとしてはエンタープライズになるだろう。
──Bill Oneの新機能はどう拡販するか。
24年に請求書発行と経費精算を追加し、既存の請求書受領から大幅に機能拡張した。新機能の販売は、まず既存顧客へのアプローチを軸に進める。経費精算に関しては専門部隊を立ち上げ、新規の顧客の獲得を目指している。発行については開発と営業が連携しながら製品展開を進めている。
──パートナー戦略は。
Sansan Data Hubはもっと多くのサービスとさまざまなかたちで連携するソリューションにしたい。現在は営業支援システムやマーケティングオートメーションとの連携で主に利用されているが、名刺や企業情報を活用したいというニーズはもっとある。これによりパートナービジネスの幅も広がるだろう。
Bill Oneは新機能で新規顧客の獲得も目指す中、パートナーと協業するスペースは大きい。24年に組織体制を強化しており、パートナー部門の専任の部長をアサインし、人員を2倍に拡大した。パートナービジネスは大きく伸長するだろう。