──2024年のビジネスの状況は。
23年のインボイス制度や改正電子帳簿保存法関連の特需の反動があった。製品や受託開発を含めたカスタマイズの売り上げに影響したが、徐々に回復し、製品も受託開発も、ほぼ平常時の状況に戻った。全体としては、おおむね計画通りで推移した。
橋倉 浩
代表取締役社長
──要因は。
製品のビジネスで、オンプレミス版の販売が予想以上となり、全体のリカバリーにつながった。24年いっぱいでサポートを終了した製品もあり、入れ替えが進んだことなどが要因として考えられる。親会社である大塚商会の営業部隊が精力的に販売してくれたことも大きかった。
──製品の提供はスケジュール通りに進んだか。
開発・リリースについては計画通りだった。開発における稼働率が23年は118%くらいでやや高く、110%にすることを目標にしていた。24年は112%まで落とせたので、それは一つの成果として捉えている。さらに品質についてのトラブルはなかったので、開発関係については全般的に悪くない状況だった。
PCの入れ替えが追い風に
──25年の注力領域は。
基幹業務システムとグループウェアをオールインワンで提供する「DX統合パッケージ SMILE&eValue」の現行バージョンを提供したのが22年5月だ。われわれはこれまで、5年おきに新製品を出しているので、次期製品の開発を進めていかなければならない。今までと違うのは、根本的に製品を変えていくことだ。今の製品はクラウドの機能を100%享受できるようになっていないので、完全にクラウド上で動くように開発することが急務になっている。25年は24年以上に投資して次期製品の開発に注力し、並行して現行製品の機能強化も進める。
──市場環境の見通しは。
25年10月の「Windows 10」のサポート切れに向け、PCの入れ替えが本格化するとされている。それに伴い、ソフトウェアの入れ替えも増えていくとみているので、その部分にはかなり期待している。PCとソフトが同じように動くとは捉えていないが、追い風になるのは間違いない。大塚商会経由ではない外販ビジネスについては、25年は2桁の成長を計画している。
──25年の抱負を。
25年のスローガンとして「─未来を創る、今ここから─『新』」を設定した。提供は少し先になるが、次期製品を含めて将来に向けた取り組みをさらに加速させていく年になるので、その意気込みを示した。10年、20年先を見据え、そのための礎をしっかりと築いてきたい。同時に、既に進めているAI分野の研究開発や、製品における他社との連携についても継続する。